第7話 ソフィアは強くなった
キングモンキーを相手にソフィアは一人で善戦していた。
流石に心配なので一緒に討伐へ向かったのだが、彼女一人でも戦えているのだ。
キングモンキーの振り落とす拳は剣で受け流し、毒を持った唾液も炎魔法で消滅させ、ついに……。
「す……すごいです! まさかキングモンキーを倒せてしまうなんて……」
ソフィア一人でキングモンキーを一刀両断したのだ。
「俺も驚いた。まさか支援なしでソフィア一人で倒しちまうとはな」
ソフィアがエリクサーを飲んで、毎日上位ランクのモンスターをコツコツ討伐してきた成果が報われた。
しかもソフィアの成長ペースがかなり速い。
エリクサーを飲んだ状態ならば既にランクSの依頼も許容範囲になっているのかもしれない。
もしかしたらエリクサーなしでもキングモンキーを討伐できていたのではないかと疑ってしまうほどだ。
「師匠のおかげです! エリクサーだけでなく、戦い方のコツや体の動かし方まで教えてもらえた成果です」
「いや、俺は基本だけ教えてエリクサーを与えただけだ。それをモノにしたのはソフィアなんだから」
尚、倒したキングモンキーは素材になるし高く売れる。
公式ギルドに戻ったときにギルドマスターのロックに渡しておけばソフィアの資金になるし。
ソフィアが魔道具に収納しようとしていたのだが。
「師匠、本当に持分私だけで良いんですか? 師匠がいなかったらここまで成長できなかったんですよ」
「倒したのはソフィアだ。俺は見守っていただけなんだから俺が受け取る権限はない」
「そうですか……でもせめてお礼がしたいんですけど……」
ソフィアは律儀なところがある。
言い方は悪いが俺はただ仕事としてソフィアを育てているだけに過ぎない。
もちろんソフィアには言ってあるし、了承の上で師弟関係は成立した。
彼女が強くなってくれれば公式ギルドでも活躍も見込めて街がより活性化していくからである。
俺にとってはそれが一番のお礼なのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。