間断逃避行

［0］藤さんと桃ちゃん

桃ちゃん

「ねぇ、今さ、おもちゃ屋のビルから嘔吐く声聞こえなかった？」

藤さん

「あー…多分、2階のいつも電気が付いてる部屋からだよ。あの部屋、いつも違う女の人が通ってるらしいし」

桃ちゃん

「こんな田舎でよるやるよね……まぁ、素直なのはいいことだけどさ」

藤さん

「欲に、ってこと？」

桃ちゃん

「そういうことになるね〜」

藤さん

「欲に素直…か」

「………………」

「桃ちゃんはさ、もし私があの冗談を本物にしたらどうする？」

桃ちゃん

「ん〜？」

「………そうだな〜」

「人生、全部藤さんに預けちゃうかも」