再びジェットコースターへ
落ち着いた時間はおしまい。
パズー「ゴリアテだ、真下にいるぞ!」
ここでパズーを凧に乗せる。
ドーラ「操縦は体で覚えるんだ」
<余談>
カッコ良すぎる……。そしてどうしてもメーヴェを彷彿してしまうのは私だけ?
ここでパズーたちとドーラ一家を分離したかったんですね。一緒にラピュタに入っても良かったと思うんですが、ここもどうやらドーラ一家の存在に違和感を覚えてしまうんです。結局ドーラ一家はラピュタ上陸後つかまるだけですからね。
この後、のんびりしていた体を叩き起こすような、ハイピッチの展開が襲ってきます。
シータ「おかしいわ、夜明けが横から来るなんて」
パズー「そうか僕らは東に進んでいるはずなんだ」
ドーラ「北へ向かっているって?」
船員「コンパスは東を向いてるよ」
ドーラ「風が変わったんだ」
シータ「見て!」
ドーラ「どうしたんだ、ゴリアテかい?」
パズー「雲です、ものすごくおおきな」
シータ「こっちへ近づいてくるわ」
一瞬、矢継ぎ早に色々と夜明けとか方角とか言われても、ぱっと意味がわかる人は少ないかもしれません。でもなんか変だ、まずいことが起こっているというのは十分伝わってきます。
ドーラ「そいつは低気圧だ! 全速力! ひきづり込まれるよ」
ここでもし早い段階でその雲の中にラピュタがあると知っていたらどうでしょうか。
パズー「雲です、ラピュタはあの中です」
ドーラ「よーし、行くよ」
で終わりです。しかしここでそれを知らせず
「あの中に入ったら大変なことになる、二度と出てこれない、絶対に逃げろ」
という前提で進んでおきながら
ドーラ「竜の巣だ……」
パズー「竜の巣? これが?」
竜の巣って情報出てきましたっけ? でもそんなの関係ないんです。その後の緊迫感あふれる音楽がくると、見ている方が
「なんかすげーこと起きた、竜の巣? 大丈夫?」
となるんです。ここまでいくともう止められません。見ている方は完全に食いついて離れられなくなってしまいます。説明なんて不要です。
パズー「ラピュタはこの中だ」
ドーラ「ばかが、入ったとたんにバラバラにされちまうよ」
このアンチテーゼがいいですね。行こうか、そうしよう、ではなくて、行こうか、そんなことしたら大変だ、と対立させることで緊迫感を増しています。
さらにゴリアテ登場、いやはや追い込むのがうまいですね。
パズー「行こう、父さんは帰ってきたよ」
ここでどうするか。今までの流れだと、
ドーラ「そんな保証はどこにあるんだい、死んじゃおしまいだよ、ゴリアテも来たしもうそれどころじゃない、逃げるよ〜」
と言うこともできたかもしれません。でもここでドーラは
ドーラ「よーし、行こう竜の巣へ」
と言うんですよね。もうここは勢いですね、ここまで来たらもう行っちゃおうよ、そんな読者の声を反映しているように思えます。
飛行戦艦内
兵士「本艦も危険です退避します」
ムスカ「このまま行け、光は常に雲のうずの中心を指している。ラピュタは嵐の中にいる。聞こえないのか、このまま進むんだ」
もしムスカが早い段階で積乱雲の中にラピュタがあると知っていて、それをみんなが認知していたらどうでしょう。
兵士「海賊たちを倒しました、さあラピュタに行きましょう」
ムスカ「うむ」
で終わりです。せっかくの最終目的地が竜の巣という危険な雲の中にある、という絶好のシチュエーションなので、それを利用しない手はありません。
A「危ないよ、あんなとこから逃げよう」
B「いや、このまま行こう」
A「そんなことしたら、こんなこともあるし、あんなこともあるし」
という風に、今からやることの危険性を強める発言をさせることで、これからやることがどれだけ危険なことなのかインパクトを与える事ができます。
<竜の巣>
ここでは述べませんが、この竜の巣のシーンもしびれますね、ものすごい風、雨、稲光、こうなるともう運命に身を任せるしかありません。一瞬見える父さん、サイレント……カッコ良すぎます。
そして一同はラピュタ上陸へ。
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