あなたの知っているラピュタはせいぜい2割

木沢 真流

はじめに

 「あなたの知っている名作はせいぜい2割」シリーズの第二弾がいよいよ始動しました。

 初めての方は「あなたの知っているトトロはせいぜい2割」 

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884576328

 からご覧いただいても構いませんし、こちらからでも構いません。


 名作が名作たる所以を、ひっぺがし法と呼ばれる方法で分析し、今後の創作活動に活かしていこう、というコンセプトです。ひっぺがし法とは、同じ内容を素人である我々が書いたらどうなるか、プロはなぜこう表現したのか、その違いを見比べることで、プロの技に学んでいくという手法です。


 「あなたの知っているトトロはせいぜい2割」の冒頭は、「トトロは実は大して面白くない話」という文言で始まっていました。これは逆説で、シンプルなテーマなのにあれだけ面白く表現できるということは、盛りだくさんのプロの技が実は隠されているんですよ、という話です。

 しかし今回の題材はあの「天空の城ラピュタ」。このお話を「大して面白くない」なんてとても言えません。

 天空に浮かぶ巨大な力を持った城、その末裔と、父さんが見つけたその幻の城をずっと夢見ていた少年が偶然出会う。同時に力を持つべく巨大な権力に二人は立ちはだかり、そしてラストは……。

 これだけで十分観たくなるテーマです。それに、波に乗ってきた宮崎駿監督チームが鮮やかなアニメーションと、これから述べるたくさんの技法によって肉付けされたら、そりゃ面白いに決まってますよ。

 今回は中でもストーリー展開に着目して、何故ここでこのシーンを入れたのか、この順番このセリフはこんな効果がある、など細かい分析をしてこの名作のいいところを盗んでしまいましょう。

 それでは始まりです。


※本作品はネタバレを含みます。ご了承ください。

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