水星の魔女を見ながら駄弁るだけのお話
「最新のガンダム?」
「そうよ。見たことあるでしょ。ガンダム」
「まあ、大体のところはな」
「作ってたの? ガンプラ」
「ああ、作ってた。ストライクガンダムとか」
「え、じゃあ私に一つ作ってよ。GNアーチャー」
「え、そんなガンダムあったっけ?」
「ガンダム00。アリオスガンダムと合体して、アーチャーアリオスガンダムになるヤツ」
記憶検索。
「あー、ソーマピーリスの機体か」
「そそ。さすが日本人。よく知ってるわね」
「ソーマのファンなの?」
「うん! 00の推しキャラ」
あー、まあ、わからなくは……ない。
本日のおやつは、鳴門鯛焼本舗の天然たい焼き。天然というのは、一匹ずつの焼き型で丁寧に焼くもので、一度に五匹くらい焼ける焼き型だと、「養殖もの」と呼ばれるらしい。
たかがたい焼き。されどたい焼き、というわけだ。
夜なので、ミルクたっぷりのカフェオレと合わせる。
「最初はプロローグね」
「ふーん。この小さな子が主人公?」
「多分。ネットじゃ、いろいろフェイク入ってるらしいけど」
「そういう情報集めるタイプだっけ」
「うん。それも含めて楽しみたいじゃない」
そして本編第一話。
「水星って、辺境地域の扱いなんだね」
「そうみたいね」
「でも、学園なのか……。学園ものガンダム?」
「脚本はコードギアスの大河内さん」
「あー、そりゃ油断しちゃいけないヤツじゃん」
「主人公、名前違くない? 逃げてたから?」
「あー、そうかも。マーキュリーって姓は、いかにも偽名くさい」
「決闘???? 学校がこれでいいのか?」
「まあ、細かな設定に文句つけてもねえ」
「いや、それでも」
「私たちが、それ言うのは間違っていると思う」
「そんなメタ発言……」
「あれ、このガンダム、主人公乗ってないの?」
「パクられてるねー。そんな簡単にパクれちゃうんだ」
「あ、このメカニックの子、お友達キャラになるんだね」
「そうだろうねぇ」
「まあ、主人公が乗ったらこうなるか」
「そうねぇ」
「え? 婚約者?」
「わー、可愛いこと言うわね、この子」
「可愛いか?」
「ええ。『水星ってお堅いのね。こっちじゃ全然アリよ』どう?」
「いや……可愛いが」
いや、可愛いよ。そりゃ、あなたが言うと。
「ありがとー。じゃ、この勢いで、00の2ndシーズン6話から」
「え? 何で6話」
「見ればわかるわよ」
「あー、お嬢さんを僕にください話か」
「そそ。よく知ってるわよね。さすが日本人」
「あー、主語が大きすぎないか? それ」
「故国じゃ誰も理解してくれないのよ」
あー、そうかもしれない。
さて、00見ながら、その場でこっそり、ネット通販でGNアーチャーのHG版をオーダー。
HGしかないのかなあ?
ついでに、塗装用の塗料やら何やら、明日買いに行こうか。
プラモか……。何年ぶりだろうか……。
〇〇を見ながら駄弁るだけのお話。 阿月 @azk_azk
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