Side Episode3(将軍と軍師 side)
『…てな感じで、一応言っておいたよ』
「ありがとう!やっぱり持つべきはひーちゃんだね!」
とひーちゃんの報告を電話で受け取る。外堀を埋めることって大事だよね。ほんとに。
それこそ、1614年に徳川家康は豊臣家を滅亡させるために、大坂冬の陣をしかけたものの、大坂城の内堀、外堀に大苦戦。海外から仕入れてきた大砲で停戦交渉まで持ち込んだ。その後、大苦戦した外堀、内堀を埋めて、大坂城を攻略した。
ほんと、そんな感じ。
『ほんと、うちの兄さんって自分の良さがわかってない!』
「いやいや、ひーちゃんの話を聞いていても、しょうがないとは思うよ。私のやつはまじでわからないけど」
と若干どころじゃない、超ブラコン気味の発言をするひーちゃん。
恋のライバルはひーちゃんかもとか思ってた時期もありました。
まあ、ブラコンなだけで、まったく恋愛感情はないっぽい。
彼女にそのことを伝えても
「そっ、そんなわけない!」
とか強く否定するけど、その方がなんかブラコンっぽいぞ、ひーちゃん。
『それじゃあ、そういうことだから、おやすみ!みー姉』
「うん、おやすみ、ひーちゃん」
というわけで今日の定例会議は終了。
こんな感じで週に何回か、ひーちゃんとゆーくんの攻略法を話し合うために電話をする。
ひーちゃんからはゆーくんが何をやっているのか、何が好きなのか嫌いなのかなどなどいろいろな情報からの提供。
私は、その情報を元に、ひーちゃんにやってほしいことや、ひーちゃんと一緒にどうすれば心を開いてくれるのかなど、相談する。
そんな感じで私に協力してくれるひーちゃん。なんで?って前に聞いたことがあるんだけど…。
その時には彼女はこう答えてくれた。
「私は2人とも大好きだから、2人には幸せになってほしいし、なんだったら、みー姉と私は家族になりたい!」
とめっちゃ可愛いことを言ってくれて、そんなことを言われた私はひーちゃんに抱き着いてしまい、ものすごく頭をなでなでした。頭をなでなでしてるとひーちゃんが目を細めていて、今すぐにでも喉元からゴロゴロと鳴りそうな感じで、とても可愛かったなぁ。と今でも思い出せる。
私的には超超超強力な味方のひーちゃん。とそのひーちゃんのお兄ちゃんで、私が大大大大大好きなゆーくんと出会ったのは今から10年前ぐらい。近所の公園でだ。
ハイスペックな幼馴染は陰キャな僕を見捨てない 福屋ケンタ @newsouth1134
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