高田美咲という人物
「ゆーくん、久々だね。こうやって学校から一緒に帰るの」
「…」
「ゆーくんが引きこもりになっちゃって、私一人で学校に行くようになってさ、なんかいつも心に穴が開いてた感じだったんだ」
「…」
「だからね、ゆーくんが学校にいたときはうれしかったの。同じ学校に受かったってのは聞いてたんだけど、学校に来れてるかどうかは全然知れなくて…」
「…」
「だからさ、今後は私と仲良くしよ?ね?」
「…いいよ、別に、仲良くなんてしないで」
「…どうして?」
「僕は高田先輩と仲良くできるわけがないので」
と言い残し、僕はまた逃げ出した。彼女も「ゆーくん、ちょっと待って!」と叫びながら、追いかけるように走り出したようだけど、僕には追いつけない。それに、ここは住宅街。巻こうと思えば、いつでも巻ける。
その5分もしたら、彼女も僕を見失ったらしく、僕の後ろにはいない。
彼女は高田美咲さん。僕の1つ年上の幼馴染。僕の入った山井高校の生徒会長。成績はいつも学年トップ。運動神経も抜群。そして、100人の人が彼女とすれ違えば、100人の人が振り返るような美少女。可愛くもあり、美しくもあるその顔は、クレオパトラや楊貴妃、小野小町などを凌駕するのではないかとも思わせる。それも、世界トップモデル級のスタイルも兼ね備えている。噂によると、8~9頭身、足の長さは身長172cmに対して股下が74cm、さらに、出るところはしっかり出てて、凹むところはしっかり凹んでる、昔で言うところのボンキュッボン。
そんな人がこの身長160cmのチビで陰キャな僕の幼馴染。幼馴染というか好きだった人。
いや、僕が引きこもりになってしまっているので、幼馴染とは言えない。赤の他人とまでは言い切れないけど…。昔遊んでた一つ年上の女の子という認識が正しいだろう。それぐらいまでしか仲良くなってないから。
でも、彼女はそんな僕に執拗に関わってくる。
正直やめてほしい。
なんのために僕がこうなったかわかっているはずなのに。なんで…?
と、彼女を巻くためだけに来たところから、家にたどり着こうとした瞬間…。
奴はそこにいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます