第4話 計画は立ててからが大事

皆も考えてみて欲しい。友達キャラが一番輝く瞬間とはどんな時だろか。主人公が見えないところでヒロインとイチャイチャするとき?死亡すキャラをなんとか根性で救ったりするとき?


否、否である。友人キャラが主人公を超えて、物語の真の主人公となる瞬間が最も輝くのである。


今まで、ヒロインから好意を向けられるのが当たり前で、友人キャラはただの都合のいい人間と認識していた主人公がざまあされ、ヒロインから見限られてしまうのだ。(諸説あり)


この瞬間胸のすくような感覚に包まれ、最高のエクスタシーを感じる。


また、悪役キャラであれば、今までの悪役非道な行動を止め、人にやさしく接することで徐々に周りの信頼を勝ち取っていき、ついにはヒロインに認められていくのが主なストーリーだ。


まあ、主人公は悪い噂を信じ込んでいるため、ヒロインに悪役と関わらないよう注意する。しかしその忠告はヒロインに袖にされるどころか、噂におどらされている主人公に愛想を尽かして見限ってしまう……


また、婚約者に認められる瞬間も実に最高な瞬間だと言わざるを得ない。いままでツンツンしていたのが、いきなりデレを見せてくるのだから…たまらない。


ん~…これから行動を起こすのにどっちから始めようかな…

やっぱり、友人キャラの逆襲は王道だよなー、しかし悪役キャラの成り上がりも捨てがたい…。


でも、前提として悪役の成り上がりは心(魂)が入れ替わっていることが必要だからな~…少し難しいか……


そこで今度は「花は咲かず砕け散る」という物語のシナリオを思い浮かべてみる。


大まかな内容として、主人公である小鳥遊 亮はどこにでもいる、普通の人間だ。しかし、幼馴染にとてもかわいい女の子がいた。このように、親の顔より見た初期条件から物語は始まる。


この条件があることによって一般人一般解から主人公特殊解にグレードアップするのである。


そして、陰キャで根暗である主人公は勿論ヒロインである桜 彩さくら さやに淡い恋心を抱いていているという、ありきたりな話である。ケッ


しかし主人公に機転が訪れる。高校1年の夏に両親が死んでしまうのである。その死因として原作の主人公はダンジョンの呪いであると知る。


もちろん、主人公である亮は両親の仇を打つために、ダンジョンに潜ることを決心する。


その復讐に心を囚われている主人公に、寄り添うのがヒロインの彩であり、ダンジョンの呪いついて、新たに仲間になっていくヒロインたちと解き明かしていくというのが、導入部分のあらすじである。


しかしここは鬱にまみれた世界、ハッピーエンドなんてものは存在しない。


ダンジョンを順調に攻略していく主人公一行。新たなヒロインなどを加えながら着々と実力もつけていく。


そして何度も言うがここは、クソみたいなシナリオの世界、加えてヒロインが片っ端から死んでいく。


それはもうぽんぽんと死んでいく。しかし、雨後のタケノコのようにどんどんヒロインが追加されるのである。


あとは、なぜかもうすでに死んでいるヒロインなどもいたが…それは別として。


しかし、最後の最後まで桜彩は死なずに生きていたことから、読者に希望を抱かせていたのだ。


だというのにダンジョンを攻略し、ダンジョンの呪いとは何なのか、真の敵とは何であるのか物語が完結したと思われたその後日談、桜 彩さくら さやはナイフを自らの胸に刺し〇殺してしまう。「私はもういらないでしょう?」的な遺言を残して…


なぜ桜 彩さくら さやが自ら命を断ったのか、その後の巻で、彩の過去が詳しくかかれた小説が出た際にこの謎は解明した。だけどその理由も胸糞すぎて胸糞すぎて…自殺してしまうのも納得である。


主人公の一人称視点では全く違和感がないことでも、客観的に見れば十二分におかしいなんてことは、よくあるもので…


それの最たるものが彩の過去の回想シーンで明らかにされる、中学生でのいじめ事件である。


ヒロインの彩は中学生のころ、友達がいじめられているのを止めようとして、友達をかばった結果、いじめの対象にされてしまう。


中学生からクラスの人気ものであった彩は、その状態が面白くない他の女子に攻撃させるきっかけを与えしまったのだ。


それからは物を隠されることは勿論のこと、体の見えない部分に暴行を加えられたり、SNS で勝手に個人情報を流され、ストーカーに襲われたりという風にいじめはどんどんエスカレートしていった。


もちろん鈍感主人公である亮君は、彩がいじめられていることに気が付かないし、SNSなどで意図的に流されたウソの情報を鵜呑みにしてしまい、彩に向って「見損なった」などと一方的に彩を傷つける。


主人公からの視点では、桜 彩がざまあをされたように進むが客観的には全くの逆であったというよくある?叙述トリックがなされていた。これには多くの初見の人が騙されたと一躍有名になったものだ。


まあそんな訳で亮だけは信じてくれているという心の支えがなくなった彩はそれでも、かばった友達を助けようと奮闘しようとしたが、そうとはいかない世界である。かばっていた友達は耐えきれなくなって自〇し、彩の心が完全に折れてしまう。 


そこに加えて、いじめの主犯に仕立て上げられ……精神や人格が崩壊…


うーん…こんな感じの物語だったはず。このような話の流れだったら、悪役キャラより友人キャラの方が使いやすそうだな。(サイコ)


よし決めた!これからのプロットとしては…

最初は友人キャラがいじめを解決そして、いじめに気づかず、役にたたない主人公

気づいてほしいと願うヒロイン桜 彩。だが、一向に気付いてくれない主人公に対する恋に違和感を感じ、そして救ってくれた友人キャラに芽生える思い。

そういうシナリオでいこう!


そうと決まれば、だれを友人キャラにしよ~かな……


そんなトチ狂ったサイコパスな思考をしていると、机においてあるスマホが振動していることに気付いた。どうやら、L〇NEが来ているようだった。


ん~と、お相手は……霧島 光きりしま こう? 誰だっけ?


ラインの履歴をさかのぼっていくと、どうやら小鳥遊 亮たかなし りょうと友達であるらしい。


霧島、きりしま、kirishima… あ~確か、小鳥遊の友人キャラ兼主人公に情報を与えたりするお助けキャラがそういった名前だったっけ?


よくいる視聴者の皆に説明するキャラだったはず。そして、なぜかイケメン。


主人公の友人ってなぜかサッカー部のイケメンキャラである確率が高いよね。しかし、彼はバスケ部である。


もうこいつでいいんじゃね? イケメンで性格も良いし。 ヒロインも直ぐ惚れるやろ(適当)


よし、霧島クン君に決めた!

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