第一話 目にはさやかに見えねども-2
皮膚という皮膚が干からび、髪も目もなくなった
すでに青年僧は恐ろしい変貌を消し去り、元の涼しい微笑を浮かべていた。
鬼か物の
不意に、松明に照らされ青年僧の影が
かと思うや、ヒョウッという耳障りな音と共に、影から噴出したおどろおどろしい黒雲が瞬く間にあたりに立ち込めはじめる。
再びヒョウヒョウと音が鳴り響く。大層気味の悪いそれは鳥の、強いて言えばトラツグミの鳴き声に似ていた。
やがて、もうもうと渦巻く黒雲の合間から異形の化け物が
猿の面相にずんぐりと丸い胴体、四肢は太く、毛は
鵺は鼻をひくつかせながら、何かを探すように
ヒョウヒョウッと、鵺は
だが、それを阻むように青年僧が手をかざせば、やにわに鵺の足下で
「さても卑しき。貴様が口にしていい血肉なぞ、世に一片もありはしない」
青年僧は
青年僧は足を上げ、追い打ちをかけるように鵺の背を踏みつける。
踏み
浅ましくも
「精々、飢えに嘆くがいい。貴様が
青年僧が
地に落ちた松明が最後にひときわ大きく
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