第九章 〈奇跡の子〉の力と〈哀〉の愛 第一話 エッチで妖艶な娘達とあの日の再来

………………あれ………………ここは……………元の世界……………帰って来れたのか?俺は気が付くと自部屋のベッドに横になっていた。ノーレルさんがここに運んでくれたのか?それに、もう日が落ちている…夕食を作る手伝いをしなくては…俺はベッドから起き上がり、一階へ降りた。すると、俺を待ち受けていたのは…




「お、セイバー君。起きたんですねぇ?」


「なるほど、この雌犬が〈奇跡の子〉か…」


「姉貴、この人は男だよ?」




ノーレルさんの友人と思わしき二人の妖艶な女性が俺の目の前に立っていたのだ。




「ノ、ノーレルさん?この二人は一体…?」


「あぁ、紹介がまだだったっすね?セイバー君から見て右側から…」


「〈獣仁志・聖神〉のアルマだ」


「〈獣仁志・魔神〉のレールゲル、アルマ姉の妹です!」




じ、〈獣仁志〉が二人同時に登場…これ当たり前の様に見えるけど、全然当たり前じゃないから!寧ろレアなシーンそのものだから!しかし、新たな〈獣仁志〉の二人が俺の目の前に現れたのには何か理由があるだろうが…




(アルマとレールゲル、セイバーをマジマジと見つめている)




「そんな至近距離で俺を見ないでください…目の置き所がない…」


「まぁ、この二人はいつでも発情している淫乱姉妹として後世に語られているんでね?新しい男を見るとこうして色気のある目で見つめるんですよ?」


「それが分かってんなら貴方達もそれを改善しようとは思わなかったんですか?所詮他人事だと判断して知らないフリして何もしてこなかったというクズ理論に辿り着くんですけど!?」


「と・に・か・く…味あわせて?」


「何を味わうんですか、俺は何処も美味しくないんですけど!?」


「少し白い糸を出すだけだから…良いでしょ?」


「サラッと放送禁止用語スレスレのワード使うなよ、この作品がもれなくR-18作品になるだろうが!」




俺はそう答えながら二人の猛攻を必死に回避していた。あれれ?〈獣仁志〉は凄い人達の集まりだと聞いたはずだけど、もれなく全員が訳アリの人達だった訳!?今の所出会った〈獣仁志〉のノーレルさん以外全員が変態なのは気のせいかな?このままだと残りの〈獣仁志・混沌神〉も変態な人の予感しかしないんですけど!?




「さて、エロ娘達よ?セイバー君を味わうのは後からでも良いでしょ、それよりも…」


「おっと、そうだった!」


「セイバー君には…私達と同等以上の力を手に入れてもらう為に『ある試練』を乗り越えてもらうよ?」




あ、「ある試練」…?そういえばあっちの世界でもそれと似た様な事を言われた覚えがある気が…




「では、その試練の前に…」


「前に?」


「君を味わいましょう!」


「私は雄房の右半分を味わうから、姉貴は左半分を味わおうか?」


「………………はい!?」


「じゃあ…お姉さん達と…長めの夜を過ごそうか?」


「いぃぃぃぃやぁぁぁぁぁっ!?」




そうだ、こんな時こそ…使い魔の出番だ!俺は右手に力を籠め、メリアさんを呼びだした。しかし、俺が思ったのと違う状態で召喚されてしまったみたいだ。


(メリア、完全体の獣となって召喚される)




「グルルルル(怒)…!!」


「ア、アレェ~?いつもと様子が違うと言いますか…」


「私のぉ…私のセイバーを…味わうぅ?」


「え!?この化け物は誰!?」


「私達はセイバーを味わいたいだけなのに…」


「あそこを味わって良いのは正妻である私だけ…それ以外の奴等がそれを味わおうものなら…私が八つ裂きにしてくれるわ(怒)!!」




あー、これはマズい。完全に乙女の心を傷付けてしまったみたいだ。そのせいか、レベルがいつもの数倍上がっている…これが怒りの力か、勉強になります。




「ま、待ってくれ!私達はただ○○○を味わえればそれだけで…」




(メリア、アルマを吹き飛ばす)




「ぎぃやぁああああああーっ!?」


「何か言った(怒)?」


「え…えぇーっと…ア〇ルにチ○コ〇れさせて…」




(メリア、レールゲルを吹き飛ばす)




「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


「よし…」




(メリア、元の姿に戻る)




「これで邪魔者は居なくなったね、セイバー?」


「あ…あぁ、危うくあんな事される所だったよ…」


「大丈夫、私が傍に居る限り…そんな目には遭わせないから!」


「あぁ、今晩も存分に愛してあげるからな?」


「にゃ~ん♡」




はぁ…メリアさんが退治してくれなかったら俺は…想像するだけで背筋が冷える!




「はぁ…夫婦円満ですねぇ?僕っちもそんな番が欲しいでっせ…」


「え?ノーレルさんには番は居ないんですか?」


「えぇ、基本的に僕っちには居ないっすね?それに、仮に出来ても寿命が僕っちより短いですし…すぐにサヨナラになってしまうんです…」


「あ…なんかすみません、気分を悪くする様な事言ってしまって…」


「良いんすよ…僕っちに番が出来なくても、そんな事忘れてしまうくらいに…セイバー君達の成長を近くで見れるのが一番楽しいっすから?」


「ノーレルさん…」




なんか凄く話が脱線している様な気がするけど…




「おっと、そうでしたね!あの試練を受ける為にあの変態二人組に来てもらったんですから…起きてくだせえ、変態Aと変態B!」


「誰が変態Aだ!」


「ちゃんと名前で呼んでください!」


『あながちそう呼ばれても仕方のない事してるんだよな…』


「早くあの魔法を付与してくだせえ?」


「あ…あぁ、しかし…後でセイバーの息子を頂くからな?」


「メリアさん、GO!」




(メリア、アルマの腹を殴る)




「かはぁぁっ…!?」


「この淫乱娘が…恥を知れ!」


「姉貴…我慢しようか?」


「お前が言えた台詞じゃねぇよ、お前も同類なのぉー!!」


「じゃあ、聖なる息子君…じゃなかったセイバー君、君にはあの日へと戻ってもらう…覚悟は出来ているね?」


「え…はい?」


「じゃあ、行っておいで?」




レールゲルさんにそう言われた直後に、俺は意識を手放した。




 ………………ここは………………何処だ………………?初めて来る場所ではないが……………最近来た場所でもない………………




「セイバー君、遊ぼうよ?」




こ…この声は…………まさかここは…!?俺は辺りを見回した。すると、俺が今居る場所が何処なのか何となく理解出来た。




「ここは…俺が生まれた村…なのか…!?」


「どうしたんだよ、俺達を強くするんじゃなかったのか?」


「師匠、御指導願います!」


「…………あ、あぁ…」


「随分と友達が多くなったみたいだね、セイバー?」


「お父さんは嬉しいよ、お前がこんなに慕われる人間になってくれるなんて…」




こ、この声は…………一生忘れはしない、あの声だ…




「父さん、母さん…」


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