登場人物

登場人物

笠松 葵(かさまつ あおい)

性別:女 年齢:17歳 職業:佐渡川高校2年生(2年7組 文系)

身長:154㎝ 体重:45㎏

容姿:切れ長の目、肩の下まで伸びる黒髪、痩せすぎの体。枯れ枝のような手足をしている。

虚しさに対するスタンス:虚しさを直視するもの

一人称:私 二人称:貴方/貴女/苗字呼び 三人称:あの人/苗字呼び/アイツ

口調:〜よね、〜だわ、〜かしら

キャラクターイメージ:猫、枯れ葉が増えてきた秋

趣味:日記 好きなもの:猫 嫌いなもの:犬


・概要

 誰とも関わらず孤独に生きようとする少女。1人であることで自分自身を慰めている側面がある。彼女は愛情に飢えているが、中途半端に与えられても虚しさが余計に強まる。そのため他人から親愛の情を受け取らないように努めるようにしている。


・役割

虚しさというテーマを提示する役


 物語開始時から虚しさを全面に押し出しているキャラクター。本作における虚しさとは何なのかを明示するための導線として機能させる。

 テーマの提示を担う彼女が率先して物語を動かす担うことで虚しさとそれに捕らわれることを分かりやすく明示可能。


・性格

構われたがりの人嫌い


 基本的には人を遠ざける性格をしている。他人との感情の交感に対して忌避感を抱き、他人とのコミュニケーションを好まない。相手を遠ざけるような、そんな言動や振る舞いを主として行い、進んで孤立する傾向にある。

 その理由は自分自身の虚しさの忌避にある。他人と触れ合うことで自分自身の感情を僅かでも波立たされるのを嫌った。中途半端なふれあい、自分自身の虚しさの理由を想起させる。そのため中途半端に人と関わることを嫌がっていた。

 だが、人にかまわれたくないわけではなく、人のぬくもりや人の愛情を求めているのが彼女の根源的欲求であるため、人にかまわれること自体は嬉しい。そのため人にかまわれないと拗ねるというめんどくささも持っている。


・価値観

潔癖


 何ごとも中途半端を許さない完璧主義な側面を持つ。例えば傷ついた心はずっと傷ついたままにして、下手に慰められるのは好まないというような形で顕在化する。

 彼女が持つトラウマは親から中途半端な対応をされたことが原因となっている。このことから中途半端な対応をされると彼女のトラウマを刺激されて、拒否反応が起きる。

 この潔癖性から彼女は人間関係上の問題を抱える場合がある。

 

・虚しさの理由

 愛情が足りてない。幼い頃はいわゆる鍵っ子というやつで、親からはほとんど放置されていた。甘えても疲れている両親からは冷たくあしらわれてしまい、自分が認められるという経験がない。現在は両親も時間が出来て、関係性だけは改善されたが、しかし葵の中にある暗い感情は深く根付いてしまっている。

 そのため自分自身に向けられる愛情を強く欲している。だが、肥大化した被愛願望は生半可な愛情では満たされず、自分に対する真摯な愛情でない限り満足できないようになってしまった。


・心境の変化

 篤史の献身的な付き添いに自分自身の虚しさが解消されていくことを感じる葵。葵の虚しさの理由は自分自身に愛情が向けられないこと。そのため篤史が自分に心を砕いてくれることには愛情を感じており、自分自身の欲求が満たされていくのを感じた。

 だが、篤史がしているのはあくまで人助けの一環であり、篤史自身の虚しさを埋めるための試みであることを知ると、自分自身の虚しさの理由を抉られた気持ちになり、ショックで篤史と喧嘩してしまう。

 葵は篤史に裏切られた気分に勝手になる。自分自身の波立たされた感情を再び傷をつけるようにいつもの習慣で屋上に立っている。

 篤史が追いかけてきたことに、葵は怒った。それは篤史が篤史自身の虚しさを埋めるために葵を利用していることが分かったからだった。篤史は否定するが、葵はそれを信用しきれなかった。

 だが、篤史が葵の好きな点を列挙すると葵はそれに根負けして、篤史の自分自身に対する思いが本物であることを認めて、恋人同士になる。



大井 篤史(おおい あつし)

性別:男 年齢:17歳 職業:佐渡川高校2年生(2年4組 理系)

身長:171㎝ 体重:62㎏ 

容姿:縦長の顔、逆立てた髪、くりくりとした瞳。身体的特徴はそこまで強くない。犬系。

虚しさに対するスタンス:虚しさから目を背けるもの

一人称:僕 二人称:君/(苗字)さん 三人称:あいつ(親しい間柄)/彼/彼女/(苗字)さん

キャラクターイメージ:影、蝉の声がしない夏

・概要

 学校における良い人。都合の良い時に現れてくれるヒーローのようなもの。通称“佐渡川のヒーロー”。ヒーローが問題が起きた後に現れるように、彼は結果を修繕することを得意とする。逆を言えば何か問題が起きない限りは自分からは何もしない消極的な人間。


・役割

虚しさに深みをもたらす役割を担う


 当初、葵が提示した虚しさに対して、それを救うヒーローとしての役割を担う。そんな彼もまた虚しさを抱えていると提示することで虚しさの一般性を示すことが出来る。葵はテンプレートな虚しさを持っている人間像であるが、ヒーロー的な側面を担う篤史が同様に虚しさを抱えていることは虚しさ観念を強めることが出来る。衝撃を与えることが出来るのではないかと考える。


・性格

エゴイスティックな博愛主義者


 誰にでも優しく、困ってる人には手を差し伸べる性格。誰にでも博愛的に振る舞い、困っている人がいたら見過ごせない。全力で以て人助けを行うようにしている。

 だが、その本質は自分自身のありのままの姿を素直に認めてもらいたいがため。困っている人は大井が自分自身の意見、つまり解決策を言ったら素直に受け止める場合が多い。そのため大井は大井の虚しさを解消するために博愛主義者を気取っており、エゴイズムの塊のような存在である。


・価値観

自分と他者の境界がはっきりしている


 自分自身を否定された経験があまりにも大きく、他人とあまり深く付き合うことをしない。他人を認識するという行動がない。

 親という最も身近な存在から自分自身というものを否定され続けたため、他人と深く付き合うということを基本的にしない。親しくなるということが彼にとっての虚しさを感じさせる忌避の対象である。(逆を言えば、それを越えようとする心性が恋愛感情に繋がる)。

 そのため、人助けを頻繁にしている割には彼の交友関係は薄く広くが基本となっており、友達と呼べるものは修二を除いて皆無。

 他人に対する関心がそこまで強くないため、人の顔や名前についても覚えてないことが多い。


・恋愛観

他人にとって何かしたいという思い


 これまで自分のことばかりしてきた篤史にとって他人に対して何か強い思いで他人のために何かをするということが篤史にとって特別なことだった。

 そこの動機として異性に対する独善的な願いがない交ぜになっている心情。それを篤史は恋愛感情として捉えている。


・虚しさの理由

 自分自身を肯定されなかった。自分自身の意見というものは悉く親から否定されたため、他人に従う自分以外の人間性を獲得できなかった。そのため自分自身を発揮したいという思いを抱えながら、しかしどうすれば良いか分からなくなっている。

 困った人を助けるのは自分の考えを通しやすいため。 

 両親からは勉強することのみをやんわりと言われており、表面上の厳しさはないが、やんわりと意見を封殺されるような環境で育ってきた。そのため彼は自分自身が認められるはずがないという観念を抱いている。


・心境の変化

 当初は葵をいつものように自分自身を慰撫するための道具として消費するつもりだった。葵のことは困っている顔のない誰かの1人だと考えていた。つまりいつものように大して相手を知らなくても良い誰かだと考えている。

 けれども、葵のことを知っていく過程で段々と葵がいつものように顔の見えない誰かに見えなくなっており、葵という個人に対して大切にしたいという思いを抱くようになっていた。

 その心境の変化期に葵と喧嘩別れしてしまい、篤史は動揺する。篤史としてはこれまで通り去る者追わずか、葵に執着するか判断に困っていた。だが、修二の激励もあり、葵を迎えに行くことにした。

 葵の離反の理由は篤史が葵を虚しさを解消する道具としていることだった。篤史はそれを事実として認め、しかし今は本物の恋愛感情を抱いているということを告げる。自分のためではなく、葵の虚しさを解消したいという思いを篤史が抱いていることを告げた。

 それから葵に篤史が葵の虚しさを受け止めるから、今度は篤史の虚しさを受け止めて欲しいと葵に告げる。似た者同士で、支え合える関係になろうと提案する。

 抱えている虚しさも1人じゃなくて2人なら解消できるんじゃないかと考えている。

 篤史は葵の我儘を受け入れると言い、葵もだったら協力してあげると言って、葵と篤史は恋人関係になった。


小倉 修二(おぐら しゅうじ)

性別:男 年齢:17歳 職業:佐渡川高校2年生(2年4組 理系)

身長:179㎝ 体重:70㎏

容姿:高身長、筋肉質

虚しさに対するスタンス:虚しさを抱かない者

概要

 典型的なオタク。篤史の幼馴染。篤史とは自他共に認める無二の親友。篤史が唯一心を許す存在であり、気兼ねなく話あえる関係、でありたいと思っているが、篤史側から無自覚に遠慮されていることを自覚している。

 オタク友達とは仲を深めている。オタク向けのサイトなども運営しており、現実、ネット問わずオタクの求心力を集めている。

 最近はまってる作品は「魔法少女まじかる☆まじかる 外伝 ~蒼き陽の再生~」。4年前に放映された伝説的アニメ「魔法少女まじかる☆まじかる」の主人公のライバルポジキャラクター、蒼明陽(あおあけひかり)を主人公にしたスピンオフ作品。


・役割

トリックスター/停滞する物語に刺激を与える役割


 基本は篤史と葵、2人で物語を動かしていくのだが、2人は本質的には同じ属性を持っているため、2人だけでは物語を動かす上で停滞してしまう可能性が考えられる。それを打開するために異なるパーソナリティを保有する彼を導入することで、物語の打開を図る。

 また満たされた人間である彼が2人にやさしくすることで、偽物の優しさを持つ篤史のカウンターとする。

 

・性格

お調子者


 気落ちすることはあまりなく、人生をめちゃくちゃ楽しんでいる人間。虚しさという言葉から大いにかけ離れた存在。

 目の前の個人が胸の内に抱えている思いを大切にし、空気を読まない。そのため他人の考えや感情をある程度無視して、絡みに行くことが出来る。これは篤史という性格に難がある人間と付き合ってきたからこそ得られた性格で、篤史をどうにかしたい思いがこのような性格形成を為した。


・価値観

人との結びつきを大切にする


 人と人との関係性を深めることを重視するタイプ。個人個人がどのような人間なのかを深く知っていくことを大切にしている。人の心に一歩踏み込み、相手が抱えているものを知ることが肝要だと思っている。

 篤史という存在がいたことで、どれだけ上辺を飾っていても心がボロボロだったりする場合がある。そうしたものを見過ごしたくないという思いがある。



 

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