メイキング
企画書
テーマ
虚しさとその向き合い方
ログライン
冬が来たら死のうとする少女と誰かを生きる理由にする少年が互いの胸に抱える虚しさを補い合うまでの物語
ストーリー軸
虚しさに対する2人の解釈と対話
コンセプト
・秋のモノ寂しさと虚しさのリンク
・どこか欠けている2人が身を寄せ合って、欠けている部分を補い合うための物語
本作の魅力
・なんとなく胸に抱いている虚しさを抱えている人に届くようにする。
・それぞれ歪みとも言える欠点を抱えた2人が支え合うという少しばかり歪んでいるかもしれんが、それでも温もりを得られる。
・クールツンデレ系ヒロインが徐々に氷解していく姿
課題
・情景描写と心情描写のリンク
・主人公とヒロイン以外のキャラクターの意図的な活用
簡易内容
冬に死のうと思っている少女と誰かのために在ることで充足感を得る少年。少年は充足感得るために少女を利用していたが、しかしそれだけではなく彼女のことを大切に思っていた。
本作における虚しさとは
生きている実感が湧かないこと。生きている中で何か心が満たされることが感じられず、空白のような感覚を得る。
そうなってしまう前提として、真に求めている物があるにも関わらず、それを手に入れられない状態であることが必要となる。自分自身の求めているものが手に入らないからこそ満たされずにいる。
いわば虚しさとは誤魔化しきれない自身の欲望への渇望であり、妥協できない人間の諦めの悪さと弱さが結実したものと言える。あくなき欲望と届かない現実の拮抗によって生み出される感情
エンディング
葵と篤史が互いに互いの虚しさを埋めることで2人が歩き出す再出発
・互いが互いの虚しさを埋めること
葵:足りない愛情を埋めること
篤史:ありのままの自分を受け入れてもらうこと
篤史は葵のことが好きになっていた。篤史はその好きな気持ちを葵に素直にぶつけ、受け入れてもらうことで自分自身というものを肯定してもらうことを望んだ。
愛情の足りない葵は誰かに好きになってもらうことを望んだ。篤史が寄せてくれていた好意が偽物であることに対して悲しみを覚え、怒りを覚えた。だが、篤史の思いが本物であることが分かった彼女は篤史の愛情を受け止めることで自分自身の虚しさを解消することになる。
ターニングイベント
篤史の裏切りのように見える振る舞いの発覚
発生原因
葵の場合と同じように困っている女の子とデートに出かけること
内容
葵が篤史と出かけることが楽しみになってきた頃、篤史が困っている女の子と2人でお出かけに出ることになる。
葵は篤史にとって自分が特別な存在だと勝手に思っていたが、葵は篤史にとって葵はただ困っている誰かであることを改めて思い知る。
そして既に知っていた篤史の持つ虚しさ、ありのままの自分自身を受け入れてもらいたいという欲求を満たすための道具にされていると思い、自分自身の望みと異なることを知って離反する。
登場人物
笠松 葵(かさまつ あおい)
性別:女 年齢:17歳 職業:佐渡川高校2年生(2年7組 文系)
身長:154㎝ 体重:45㎏
容姿:切れ長の目、肩の下まで伸びる黒髪、痩せすぎの体。枯れ枝のような手足をしている。
虚しさに対するスタンス:虚しさを直視するもの
一人称:私 二人称:貴方/貴女/苗字呼び 三人称:あの人/苗字呼び
口調:〜よね、〜だわ、〜かしら
キャラクターイメージ:猫、枯れ葉が増えてきた秋
趣味:日記 好きなもの:猫 嫌いなもの:犬
・概要
誰とも関わらず孤独に生きようとする少女。1人であることで自分自身を慰めている側面がある。彼女は愛情に飢えているが、中途半端に与えられても虚しさが余計に強まる。そのため他人から親愛の情を受け取らないように努めるようにしている。
・虚しさの理由
愛情が足りてない。幼い頃はいわゆる鍵っ子というやつで、親からはほとんど放置されていた。甘えても疲れている両親からは冷たくあしらわれてしまい、自分が認められるという経験がない。
・心境の変化
あまり自分を見せない彼女が身近な存在に心を開いていく。
大井 篤史(おおい あつし)
性別:男 年齢:17歳 職業:佐渡川高校2年生(2年4組 理系)
身長:171㎝ 体重:62㎏
容姿:縦長の顔、逆立てた髪、くりくりとした瞳。身体的特徴はそこまで強くない。犬系。
虚しさに対するスタンス:虚しさから目を背けるもの
一人称:僕 二人称:君/(苗字)さん 三人称:あいつ(親しい間柄)/彼/彼女/(苗字)さん
キャラクターイメージ:影、蝉の声がしない夏
・概要
学校における良い人。都合の良い時に現れてくれるヒーローのようなもの。通称“佐渡川のヒーロー”。ヒーローが問題が起きた後に現れるように、彼は結果を修繕することを得意とする。逆を言えば何か問題が起きない限りは自分からは何もしない消極的な人間。
・虚しさの理由
自分自身を肯定されなかった。自分自身の意見というものは悉く親から否定されたため、他人に従う自分以外の人間性を獲得できなかった。そのため自分自身を発揮したいという思いを抱えながら、しかしどうすれば良いか分からなくなっている。
困った人を助けるのは自分の考えを通しやすいため。
・心境の変化
消極的かつ抑圧されてきた人間が解放される過程。
小倉 修二(おぐら しゅうじ)
性別:男 年齢:17歳 職業:佐渡川高校2年生(2年4組 理系)
身長:172㎝ 体重:66㎏
容姿:やや丸みを帯びた顔(ナス顔)、おかっぱ、丸メガネ
虚しさに対するスタンス:虚しさを抱かない者
役割:篤史が持つ葵への思いを明確化する役割を果たす。
概要
典型的なオタク。
簡易プロット
ストーリーライン:葵の楽しいこと探し
① 出会い
・考える内容
虚しさの問題提起
・内容
9月の終わり、その放課後。少しばかり空気が冷たくなってきた日に篤史は立ち入りできないはずの放課後に人影があるのに気が付く。不信に思った篤史は屋上へ向かってみることにした。
篤史が屋上へ向かうと寂しげに佇んでいる葵がいる。篤史はなぜこんなところに葵がいるのかと問うと、葵はここにいれば自分自身の虚しさが紛れるような気がしているからと言う。ここから飛び降りれば死ねるからという確信が彼女の安心感となっていた。
いつものように篤史は人助けをする気持ちで並々ならない様子の葵を救うために彼女の虚しさを埋められるようやるという宣言する。
篤史を嫌っていた葵は篤史を馬鹿にするためにその挑戦を受けることにした。
② 虚しさの解説
・考える内容
葵にとって虚しさがどのようなものなのか。
葵のキャラクター性の深掘り
場面③でのターニングイベントを起こすきっかけの作成
・内容
篤史は葵のことをもっと詳しく知るために葵と一緒に行動を共にすることにする。
篤史は葵の過去をたどり、葵の好きなものを探ることを目的として葵の琴線に触れるものを探していく。
しかし葵は篤史にそんなことをしても無駄だと告げた。葵にとって過ぎ去ったものを辿ることは既に辿ったものであるため、既にやったことである。よって意味がない。
だが葵はポツポツと本音を漏らし、篤史とのやりとりに虚しさを解消され始めていた。
③ 虚しさが解消されるかもしれない期待と裏切り
・考える内容
葵が得た虚しさを解消する希望
篤史が持つ虚しさの提示とキャラクター性の深掘り
・内容
葵は篤史に心を開きかけていた。無茶ぶりをしても篤史は特に何も文句を言わずに付き合ってくれるため、それがうれしく、葵が抱えている虚しさが癒されるような思いだった。
しかしたまたま篤史が抱えている虚しさについて知ってしまい、これまで向けてくれた思いが全て篤史が篤史自身の虚しさを解消するためだと知る。葵は篤史がしてくれたことを他の人にもしていることを知り、それがきっかけとなる。
自分自身の希望が打ち砕かれたような思いになった葵は篤史から距離を取ることにした。
④ 和解と互いの欲求の実現
・考える内容
どのように篤史が葵を好きになるのか。
⇒裏切りお姫様の反省
篤史の思いは同情ではないのか。
⇒問題を解決するという癖がなしていることじゃないのか。
・内容
仲直りをしようと、篤史は葵が屋上にいると考え、篤史は学校の屋上へ向かった。葵は篤史が来たのに驚いた。
「なんでわかったの?」と葵は聞く。
「ずっと一緒にいたんだから、それくらいわかるよ」と篤史は答える。篤史は葵と一緒に居続けた結果、葵の考えがなんとなくわかるようになっていった。だから葵が寂しさを感じてることも、寂しさを理由に屋上へ来ることも知っている。
葵は篤史が此処に来た理由を問う。葵にとって篤史が屋上に来るというのは、以前篤史が自分自身の虚しさを埋めるためだけにこなす善行とデジャブする。自分に対する無条件な愛を求めている葵は篤史の動機を大切にした。
葵はまた篤史が自分を利用して虚しさを解消しようとしているのではないかと糾弾した。しかし篤史はそれを明確に否定する。
篤史は葵が好きだから、ここに来たのだと告げる。篤史はこれまで葵と一緒に過ごしてきた。その過程で、葵のことが好きになっていた。
篤史は自分自身の虚しさの正体を葵に伝えた。葵を好きな気持ちを全部受け止めて欲しいと告げた。
そんな篤史に葵はどれくらい自分のことを好きなのか試すように我儘を言う。篤史は全てそれを肯定した。
葵はそんな篤史を認めて、篤史とカップルになる。お互いにお互いを支え合って、お互いの虚しさを埋め合うことで2人は虚しさを解消する。
葵のキャラクターをより厳密にしていく。
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