第2話

「先輩、帰りましょうよ?」

「帰るかよバーカ!帰ったらアイツらに殺されて土に帰るのがオチだよ!」

「……いーえ?殺すなんてとんでもないですよ。確かに殺して喰べたらずっと私の中だけで生きてくれますけど……」

「怖いって!本当にやりそうで怖いって!」


……あぁもうダメだなこりゃ。


「でも大丈夫です!先輩は私が養いますし、あの人達には手出しさせません!だから安心してくださいね!」


お前に養われたら!

絶対普通の生活できねえよ!


「お前にだけは絶対頼らないからな!?むしろ俺の人生終わらせようとする側だろうが!」

「そんなことないですよ〜!私はただ先輩とイチャイチャしたいだけなのに〜」

「お前の言うイチャイチャは常軌を逸してるんだよ!」


コイツは俗に言うヤンデレで当たり前のように監禁とかしてこようとしてくる。

昔はなんとかできたが今はどうもできる気がしない。

まあ、コイツ以外にも面倒くさいやつはたくさんいたんだけど……。


「というか、先輩に拒否権はないですよ?」


「がっ!?」


小鹿は俺の口に拳銃を突っ込んできた。

頭をがっしり押さえつけられてて逃げられる気がしない。


ふひへぇんはい、ほへんなはあい許してください、ごめんなさい

「分かってくれればいいんですよ♪じゃあ行きましょうか?」


銃口を口から離されて解放された。

その小鹿の気が緩んだ一瞬を見逃さないで距離を取った。


「チッ」


舌打ちをする彼女の顔からは明らかな殺意を感じる。


「やっぱり先輩には逃げられちゃうんですねぇ……」


さっきまでとは違う雰囲気を出しながら近づいてくる彼女はまるで悪魔のような笑みを浮かべていた。

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