第4話 デスノートは販売されていない。

 「鈴ちゃん、今日もありがとう。」 

 「私、最近ついてるの。」

 

 最近、呼春がありがとうを連発している。また何か始めたのだろうか。


 今度は必死にノートに何か書いている。


 『呼春、何してるの?』


 呼びかけに呼春は手を止める。


 「鈴ちゃん、これは夢が叶うノートだよ、ありがとうや金運アップの言葉、やりたい事を書いたら夢が叶うの。」

 

『それただのノートだよね。。』

「違うよ、夢が叶うスピリチュアルノートよ。」


 呼春の笑顔の前では何も言えなくなる。


『やってみて効果を聞かせてね。』

としか鈴は言えなかった。。


『ノートどうなったの?』聞いてみると


「ノート書き終わったよ。」呼春は最後のページまで埋まったノートを見せて、即答する。


 あれからまだ何日もたってないが、見せてもらったノートは夢や感謝の言葉でうめつくされている。。


『効果はあったの?正直に?』聞いてみると、呼春はちょっと無言。


 そして、「いまから効果がでてくるんだと思う。」自信のない声で言う。


『それデスノートだよ。』鈴が言う、


『それにありがとうや夢を毎日書いて幸せや夢が叶うなら、マイナスのことを書いたらデスノートになるの?』


『嫌いな人、どうなってほしいとか。』


『原理は同じだよね。。書いたことが実現するなら。』鈴はとまらない。


『何回書いたら何が起こるかまったく説明されてないんでしょ、どうせ書いた効果はあります、そのおかげで今日も健康で生活できました、感謝とかね。』言い終わると。

 

 呼春がほっぺたをふくらませる。

 呼春はわかりやすくふてくされた主張をする。


 呼春は素直だ。


『もちろん言葉には力がある。』鈴も思う。


『テスト前は感謝の言葉をノートに書くより英単語を書いて覚えた方が良いとは思うよ。』


2人で笑った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

京都の占い師 四条鈴登場。 烏丸 にゃん子 @karasumanyanko

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ