第17話

 カジュアルな服の人とスーツの人に彼の居場所を教えてもらうところから、わたしの一日は始まる。


 そこに入って、ベッドで眠る彼の隣に腰かけて。彼の目覚めを待つ。彼の目が覚めたそのときから、彼の隣にいたい。


 今日は、それができないのが、もどかしかった。


 学祭当日。


 彼に気付いてもらうための服が、どうしても決まらなかった。かんざしだけは確定。でも、その先が決まらなかった。

 いつも通りの、上下桃色の長めのインナー。ここから先。ここから先が、決まらない。


 外で、何か声がした。


 彼だろうか。

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