37 ~反撃の少女~ HANGEKI
「魔法少女フレアだ!!!!」
「っげあァァァああああアアアアアアアア!!!」
練ったそばから少しずつ吸い取られていくが、気にせずに杖を通して
「くらえぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇえぇえええええええええええ!!」
杖を振り下ろし、すぐそこまで
その
だけど、
吸収される量よりも多く、早く、難しいことは何も考えずに炎を燃え上がらせることで、ディザイアーの限界を
「ぅ……ぅぁぁぁああああああ―――!!」
ディザイアーの吸い上げる力と、
「ぐッッげぇぇぇぇぇぇぁああアああああアアアアアアアア!?!?」
「―――ぃぁあああああああああ!!!!」
あり
「グ……ゥ――」
「ふっ!」
落ち行く瓦礫の数々を足場にして突き進む野生の
再び地面に打ち付けられた影の巨人は、短い悲鳴を漏らす。
「グゲっ!?」
人型ディザイアーの足元に着地したルナちゃんは、その隙に近くのビル群の
良かった。
また無茶をしないか少し心配だったけど、ちゃんと後のことを考えているようだ。
高速環状線の下、粉々に
今度こそ起き上がり、巨影の怪物は強襲者の
しかしルナちゃんの姿は見つからず、
「グ……グゥ、ガァあああああアァアアあああ!!」
目の位置の
吸い切れなかった
けれど、そんなことは、出来はしない。させは、しない。
「トモナ!!!」
高速環状線の上、黒い怪物の狙いに気付いたリサ先輩が、防音壁に
見上げ、その
右手に持つ杖の先、
胸の内に、
「えぇい!!」
杖を背後に振りかぶり、
勢い
持ち上がった足を一歩前に出し、もう片方もそれに並べ立ち、黒い影の巨人へ向けて叫ぶ。
「
「グ……ルぐ、が……」
倒れ込んだ人型ディザイアーは上半身を持ち上げ、感情の図れない黒眼をこちらへ向け、
その時、すぐそばの大きな瓦礫の上に、誰かが立つ気配を感じる。
「それは、あなたと
「ち、違うよ! ルナちゃん。そんなつもりで言ったんじゃ………!」
「………あれ? 前から気になってたんだけど、ルナちゃん、ドレスの色、変わってない?」
「え?」
「そうなの、かしら?」
「そ、そうだよ!? さっきとか初めて会った時とかは
「そ、そう。私は服のことなんて気にも留めていなかったから、今
顔に人差し指を当て、真剣に考えるルナちゃん。
どうやら、本気で気が付いていなかったみたいだ。
「グルるるゥ………」
ルナちゃんの方に顔を向けながら、尻目に
「……無駄口を叩いている
「え――?」
「――それなら心配いらないわよ。
ルナちゃんの反対側、
「言っても、少し前の情報だし、さっきの
「リサ先輩!? 大丈夫なの?」
「大丈夫。……とは言い切れないけど、問題ないわ。私だって国家魔法少女の
リサ先輩はそう言い、左手に剣を下ろし、右手を上げる。
「セレナ」
セレナと呼ばれたそれは、光が弱まるのにつれて人の形をとり、薄い
「
「そう。私の契約する魔法精霊獣。っていうか精霊そのものか」
ルナちゃんの
その指を
「ええ分かってる。トモナ。そいつとは別で私もあいつの隙をついてアンタの手助けをするわ」
ルナちゃんを
「トモナ」
その
「
「できるわけないだろ
「そ、そっか……」
相変わらずというか、ここにきてもマイペースなのは変わらない子だ。
「ぐるうるるるるぁあああああ!!!」
「!!」
しびれを切らしたのか、人型ディザイアーは大きく
それを魔力の塊で叩き落とし、
「
「ふん。アンタこそ、野生の魔法少女だからって手を抜くんじゃないわよ」
「がんば」
リサ先輩は遅れて
ディザイアーは、吸い込み攻撃は逆効果だと学習したのか、
それをルナちゃんやリサ先輩がいなし、時には自身の炎で迎え撃つ。
だけど、やはり人型ディザイアーも
なるべく街への被害を
「っ! しまっ――」
「ルナちゃん!」
「
リサ先輩と声が
徐々にだが、人型ディザイアーも
リサ先輩がディザイアーの注意を引き付けてくれている隙に、
「だっ、大丈夫?」
「……く、いててだわ」
「る、ルナちゃん、かわいい?」
「っ! な、流してくれて構わないから!」
「えー?」
思わぬルナちゃんらしからない可愛い反応に、つい戦いの中だということを忘れてしまう。
「大丈夫か?」、と近くに居た
瓦礫に触れ、どけようとするが、びくともしない。魔力はまだ戻らないようだ。
「やっぱり、トモナの一点攻撃だけではキリがないわね。自衛隊の兵器攻撃でもあれば別だけど、魔法少女が張り付いていたら手を出せない。かといって今
「アンタ達、喋ってるヒマがあるなら動きなさいよ」
ため息混じりにルナちゃんが言ったところで、リサ先輩が人型ディザイアーの攻撃をかいくぐってこちらへ跳んできてそう言う。
リサ先輩の契約精霊セレナは、先輩の
そのセレナが、事態の変動を
「っ――――――――
っぱあああああああああああん!!!
という、
リサ先輩が立っていた場所にあるのは、勢いよく撃ち合わされた重量感の塊の黒い両の手。
その影の両手から、
遠い意識の向こうで、神経が
「―――――!」
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