34 ~連襲の少女~ RENSHU
ルナちゃんが単独でディザイアーを引き付けていた――実際には暴走していただけだが――のと、
今回は、初めから日本全国の国家魔法少女に召集命令が出ている。
ルナちゃんの暴走というアクシデントはあったものの、ゆっくりとだけど
「トモナ」
そんなことを考えていると、
「もう戻ってきて大丈夫なの? 思ってたより結構早かったけど」
「うん。回復の方は早いから問題ないって。だから
リサ先輩が聞いているのは、
彼女自身のことは良くは思っていなくても、やはりリサ先輩は弱っている人のことは放っておけないのだ。
「そ、そう。ならまだ戦力にはなるようね」
あれ? リサ先輩ってこんなツンデレキャラだっけ。
などと
「――っ! トモナ!」
リサ先輩の張り詰めた
「ぉぉああああぁぁぁぁぁ………!!!」
そしてこの場に居る魔法少女達がその衝撃と
「く………。 一体何を―――ッッ!! まさかあいつ、名古屋城を!?」
「ああもう! ちょこざいな! あんなもの壊されでもしたら、ただでさえ
リサ先輩の
だが、いち早くディザイアーの動向に反応できた魔法少女達は
なんとか出遅れずに駆け出せはしたが、
そんな中、辺りの動揺を
「お~っほっほっほっほっほっほっほ!! 今こそ
『ヒヒヒ――――――イィン!!』
そう言って馬の
「は………はぁああ!?!? ちょ、なにあいつ――魔法精霊獣に、乗ってるぅ!?」
そう。
乗っている。
馬のような魔法精霊獣の
「いきますわよ
「違う! それは乗られる方じゃなくて乗る方! しかもウマじゃなくてクマだ!」
「
詠唱途中ということも吹き飛んだリサ先輩のツッコミが聞こえていたのか、前方を
契約者を背に乗せた、白い毛並みが無駄に
「さあ
ヒサキさんが手に持った鞭を空中で高らかに打ち鳴らすと、
すると、
「パーティの始まりでしてよ! お
ヒサキさんの号令と共に、オフホワイトの
だがしかし、「おぉ!」と周囲から歓声が上がったのも
「そんな馬鹿なですわッッ!?!?
「アンタの乗ってる
本物の
「それもそうですわね」
「納得すんのかい!」
「そう言えば『金太郎』って、大昔の貨物列車の名前だっけ?」
「ズレてるから。
そんな話をしているうちに、人型ディザイアーは
「って、ちょいちょいちょいちょい! このままじゃあいつ高速道路突き破んじゃないの!?」
大きな人影を先頭とした色とりどりな一団のひた走る先には、
言うまでもなく、名古屋市の重要な交通インフラの一つだ。
そしてその先、名古屋城の手前を横切るのはリニア鉄道高架線。
高速環状線に続き現代日本
下手をすれば
「クソ! ふざけん
本町通を
後ろから追いかけてくる
数歩
「遅ぐなっですまね!」
そんな聞き慣れた声とセリフが、同じく土色の、いや
声の
「クォ………ッッ!?」
腕を弾かれた人型ディザイアーは、上体を
しかし振り上げから返す
打ち合った衝撃に後背へ飛ぶ少女はそのまま、名古屋高速都心環状線の防音壁の
二度もの
「
「まだ遅ぐなっでしまって
「
飛び付くリサ先輩を抱き止め、再び謝るもう一人の先輩魔法少女、
リサ先輩が抱き付いたところで、
「ん……すまねぇ。今のんで魔力ば切れちまっただ。
「山形と静岡から走ってきて、その
「んだら、これ躱すのんも任せっべ」
「へ」
リサ先輩が振り返ったそこには、大きく振りかぶった頭上から、怒りのパンチを叩き込まんとするディザイアーの姿が。
「ちょ、待っ、
「ガァアアアアアア!」
「くれるわけないでしょねーっ」
叫びながら、リサ先輩は
そして剣を抜き大きな
周りの魔法少女達も、加勢に回ろうとするがその大半がディザイアーを追いかけるのに出遅れた後発組であるため、高速環状線
「えーっと! 『
「リサ!」
「リサ先輩!!」
はずだった。
「はぁ!!!」
ズドッゴンッッッ!!!
一息の気合が、リサ先輩と高速環状線を殴り砕く寸前で阻止する。
空から降ってきた白いハイソックスパンプスの
その
名古屋高速都心環状線の向こう、その場の
その直後、
倒れ行く巨影を避けるように、
そこには
それらを見て、
「生物ではない馬の大群に戦闘メイドって、ここには歩いて行けない
「ルナちゃん! それに
高速環状線の直前の
リニアで駆けつけてきた、関東の国家魔法少女達だ。
その中に、ちゃっかりと
先ほどチラっと見えたのは、彼女達を乗せたリニアモーターカーだったのだ。
ルナちゃんは自分の背後に国家魔法少女達が集まるのを
日本の魔法少女の
その時、
再三に渡り強襲を受け、自身の
ギリ………。
と、聞こえるのも不自然な身の毛もよだつ歯ぎしりが、全ての魔法少女達の
この感覚に、
数日前、一瞬にして目の前が真っ暗になったあの時と同じ―――
「――っああアァァァァアアアあァァァああああああアアアアアアアああぁアアあぁああアァァぁぁああアああァあぁあぁアァアァアァアあああああアああァアアあぁァあアッッッ!!!!!!!!!」
びりびりと空気が
その空気の痺れに、魔法少女達は
「くグくぅウ………ガあァァァああああアアアアアアアア!!」
喰らい始めた。
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