21 ~勧誘の少女~ KANNYU
「えぇ、ええと、それでは本題の方へと入らせていただきましょうかぁ」
改めて、と、ルナちゃんに向かって
「
「断る」
「あっはっはぁ。そうでしょうねぇ。まぁ何も国家所属でないといけない、という訳ではなくてですねぇ、この日本の魔法少女は基本的に、大雑把に
「そしてそれぞれの、あるいは双方の魔法少女は複数人の方と”マギアールズ”というグループを設けて活動するように取り決められているのですよぉ」
「民制………マギアールズ?」
「魔法少女は、基本は二人以上でディザイアーと戦う、ってこの前会った時に話したよね。マギアールズっていうのは、魔法少女の子達の相性だったりその子達の特性をいろんな場面に合わせて出動できるように分けられたグループの事なんだよ」
「………なるほど」
「
「それでね、この前
「
「うん。正式に決まったグループじゃないけど、状況に合わせて組まれる
「
「そうそれ! それで
「そ、そう。いきなり、水を
少し引き気味に体を
そんなルナちゃんの手を取って、
「だってもしかしたらルナちゃんとパートナーになれるかもしれないんだよ! そうなったら
「——―! ………言ったでしょう。そもそも私は国の狗になる気は無いと」
ルナちゃんは何かを隠すように顔を背けると
「でっ、でも! もしかしたら早く走れるようになったりするかもだよ!?」
「あなたみたいに
「………? どゆこと?」
「流してくれて構わないわ………………」
「あ、あのぉ~~………」
そこへ
またも睨むような視線を向けるルナちゃん。
そんな調子だから
「誤解のなさられないよう付け足しますとぉ、先程も申し上げた中で民制所属の魔法少女というものもございますぅ」
「……そういえば、そんなことも言っていたわね」
「ええぇ。民制の魔法少女保護管制局は、国家所属とは違い相対的な支援や援助、ディザイアー討伐の際の
「えっ?
「それは
初めて会った時から
そんな
「あっはっはっはぁ。ひどい言われようですねぇ。私これでも、一応
「「えええぇぇぇえええ!?!?」」
今度は、ルナちゃんと二人
こんな、魔法少女達に不人気で
世の中、本当に分からない事だらけだ。
「あっはっはぁ。トモナさん。それ以上は
「あ、ご、ごめんなさい………」
若干
振り下ろした頭の横目で
「いえいえぇ。話す機会も、あまりありませんでしたからねぇ。さてぇ、少し話がそれてしまいましたがぁ、魔法少女として、民制の所属に
「そう。………色々と聞く機会のない話だったけれども、直接の管理下に無いとは言え、国の影響下にあるという以上どこかの組織に入るつもりはないわ。そもそもあなたのような国の狗が出入りしているのなら
「あっはっはぁ………。やっぱりファーストコンタクトが私では、印象悪いですよねぇ………」
そう言って肩を落とす
いつも
そして
確かに、
けれど、それ以上にルナちゃんの意志の方が強いようにも感じられた。
国家魔法少女———正確には国家機関に所属している人達のことを
国家という組織に良い印象を持っていない人も、世の中にはもちろん居るだろう。
だけどルナちゃんが胸の内に
そんな
「それじゃあ、私はもう行かせてもらうわよ」
「ああぁ。お引止めしてすみませんでしたぁ。今回お話したことはいつお返事頂いても構いませんので、頭の
去り際の
その背中を見送りながら、はたと思考が切り替わる。
「あ、そうだ! ごめんね。
「ん、あぁ。いえいえぇ。お
そう言って、今度は
「え、あ、んーん、いいよいいよ! ………あんなことがあったばかりだから。仕方ないよ。ほら、頭上げて
「そうですかぁ。しかし、こちらとしてもただ謝罪するだけでは参りませんので、このようなことしかできませんが、今回のディザイアー討伐に関する
頭を上げた
「え、ちょっこんなに!? だってこれ、一つ十二万円でしょ? えっと、いち、にぃ………」
「問題ありませんよぅ。今回の事を考えれば、六十万でもやや少ない方ですぅ」
「いや、こんなに受け取れないよ! それに今日のは、ルナちゃんが倒したし、そもそもルナちゃんが居なかったら倒せてたかもどうか………」
「でしたらぁ、後日
これを話のタネにすれば、そうでなくても、次にルナちゃんと会った時、もっと二人で話せることが増えるんだ。そう思えると、ちょっと嬉しくなった。
それから
ルナちゃんが帰っていった時と同じように屋上の
今度、ルナちゃんと会えたらどんなお話をしようかな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます