19 ~対極の少女~ TAIKYOKU
テリヤキを頭に乗せたままの
そんな
「えっと、ルナちゃん、その………ごめんね。
「トモナ。あなたには、言っておくわ。………私は、魔力がとても少ないの。魔法少女として変身するだけで、大半の魔力を消費してしまうくらいに」
「えっ?」
だけどその
程々に広い総合病院の駐車場を
「この間の
「ルナ、ちゃん………」
「はっはっは。小娘が一丁前に
「
「ゔッ………」
「ひぃっ………」
頭のテリヤキを光の速さで
対するテリヤキは、魔力の身体なのにも
すごい。
普段はあまり口を出して来ず、いざ口を開けばお
そんな時、病院の屋上で大きなものが動く気配がした。
「っ! 無駄口を叩き過ぎたわね。行くわよ」
「う、うん!」
ルナちゃんの
こちらを見てきてはいるが、今なら向こうが何かをする前に
ところが、病院の屋上に二人して
体中から力が抜けていき、四つん
「こ………れ、は―――」
「うぅ………あのディザイアーの、
頭に手をやった状態で立ち尽くすルナちゃんは、気分が悪そうに呟く。
しかし当のディザイアーは、尻尾を床に叩きつけたまま、
「どうやら、このディザイアーの根源と欲圧は、
「えぇ………!? な………に、それ………」
確か、
だけど、現に体に力は入らず、気だるさがそのまま、重力として覆い被さっているように、全身が重たい。
「アレは不確定な情報だと言っていたから。その限りじゃないわ」
「そ、んな………。ていう、か。ル………ちゃ、な……でへい………き」
そこには、せめて思考だけでも回そうと抗う
「……この際だから。言っておくかしらね。あの時剣の
「えっ……」
「あの
ルナちゃんはゆらりと前に出ると、左手で
ダメだ。
ルナちゃんは一人で戦おうとしている。いくら怠ける欲望とは言え、相手はディザイアーだ。
一人でいかせちゃ、ダメだ。
「ふ――――――――――――……………っ、く、ぅあぁああ!」
熱い。
魔力が体中を
「ふ、ぅぅ……ぅああ!」
チカチカとする頭で手足を動かし、膝立ちだがなんとか体を起き上がらせる。
熱い。だけど、その熱さが、降りかかるダルさに引っ張られる身体を幾分か気つけてくれる。
「これ、くらい……あた、しも、平気、だよ………。
「ルナちゃん一人では、絶対に戦わせない。
それを聞いたルナちゃんは、ふっ、と笑って前を向き直した。
「なら、勝手にしなさい。私は、ただ私の大切なものを守るために戦うだけ。………けれど、さっきも言った通り、私には魔力が無い。夜の間はどうしてか少しマシだけど、それでもディザイアーの
「ダメだよ! だったら、
「まったく、
ルナちゃんの左に並んで笑って見せると、
その後は、恥ずかしいものだった。
意気込んで立ち向かったはいいものの、いたち型のディザイアーは
あれだけの
「本当に、あなたと居ると調子が狂うわ………」
頬を薄く
おかげで、二、三度飛び乗りそこなった電柱にぶつかって
「……………バカ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます