17 〜無能の少女〜 MUNOU
「それについては、
「「!!」??」
ルナちゃんと二人、話しているところに、後ろからふいに声が掛けられ慌てて起き上がって振り返る。
半身だけ回して構えるように背中を
「あれっ。
「いやぁ~~。なかなかに
「………誰?」
警戒心を隠す気配もなく、ルナちゃんは怪しい雰囲気が
その他にも現地の魔法少女達を
「あっはっはっはぁ。おじさんはひどいなぁトモナさん。私はこれでもまだ、二十代ですよぉ」
「で、その雑用係の国の狗がここへ何の用かしら」
頭を
ルナちゃんに
「そ~うでしたそ~うでした。今回はトモナさんとお会いしに来たんでしたぁ。ところでトモナさん、本題とあのディザイアーについて、どちらから先に聞きたいですかぁ?」
楽しそうな調子で両の手の人差し指をそれぞれ順に立てて
そういえばさっき情報がどうだとか言っていた気がする。
「あっ、そうだ。あのディザイアーの情報って?」
「そんなものよりももっと重要視するべきものがあるでしょうに………」
「えぇ~えぇ。まぁ情報と言いましても、
「えっ、それってあのディザイアーはそのお婆さんのお見舞いがしたくてああなっちゃったってこと?」
「あくまで噂からの推論ですが、そういった
後ろの病院を振り返り、その屋上のディザイアーを見つめる。
ディザイアーはただただ座ったまま、小さく「くぁ……」と
今まで戦ってきたディザイアー達とは違い、暴れるような
その
その時、ルナちゃんが
「トモナ。例えどんな事情があろうとも、相手は怪物と化した
「………うん。あの時の暗闇のせいで、世界中で
病院の屋上にディザイアーが出現した以上、移動が可能な患者さん達は避難しているだろうし、そうじゃない人も何かしらの防衛処置で
それに
それは、嫌だ。
ルナちゃんは
「あの
「ああぁ。そうですねぇ。実は、先日の一件でトモナさんが魔法を覚えられたとの報告がありましたので、もし可能であれば今回の戦闘などで
「あー! そうだ。そういえば忘れてた!
国家機関所属の魔法少女は、自身の魔法や魔力のパターン等を国に報告して、ディザイアー
またそれによって出動している魔法少女の得意な状況を作り出したり、魔法発動後の
それに、
「トモナさんは今まで魔法を使用なさらず純粋な魔力だけで戦ってこられたので、現場状況や自己申告、居合わせた魔法少女さん達による証言から戦績等を
「もー。
「今から
「まったく、仕方がないわね。あなたのあの魔法なら、私も余裕を持って戦えるでしょうし………」
ルナちゃんに
杖の
光の色は魔力の流れに
溢れ出す魔力で商社ビルの屋上が揺らされ、風に運ばれて来たのであろう小石や枯れ枝に葉っぱを
空気に緊張が走っていくのが分かった。
その空気も
「……………………………………トモナ?」
ルナちゃんがちら、と
「………………あ」
「あ?」
「あ………あれ~~~~~? 魔法が、出ない?」
「は?」
「おやぁ?」
「ていうか、あの魔法ってどうやって使ったんだっけ………」
杖に
視線と視線が交わり、熱くなった目尻に
すっかりと
「は……はぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああ??!!」
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