12 ~耀輝の少女~ KIKI
「そんな……まさか、今の一瞬で回復再生したの!?」
リサ先輩が
その動揺は、その場に
ディザイアーは、どの個体も根本的な特性として、
だけど、その再生速度は手作業で
ましてや、
終幕の糸口をいとも簡単に断ち切った大型ディザイアーは、「くぅぇっ、クゥェァッ」、とまるで
傷を負った魚ガエル型ディザイアーが
それを眺めていた野良の少女が、ポツリと言う。
「どうやら、あの
「
「
綺麗な黒い髪を
「あなたが人々の笑顔を
その手に一度
「お願い。私に、私の大事なものを
「
「はぁ……? なんでこんな時に―――」
そう言いかけた
「……あなた達国の
思わず笑みが
今なら、どんな無茶でも出来そうだ。
無性にそんな気がしてくる。
「うん! 一緒に
差し出された手を取り、横に並び立つ。
右手で杖を握り締め、体中を
「あ、でも
「恐らくそれはないわ。さっきあの魚型ディザイアーは再度
「そっか、だったら全力で、笑顔の限りに照らしてあげるね!」
「調整をミスして私の
「そんなこと―――、………わ、分かってる!」
「………」
どこか不安そうな気配を感じた。
すぅっ、と目を
ふと、隣を見る。
そこには、大立ち回りを繰り広げる大型ディザイアーを視線に定める、あどけなさを残した少女の
その視線の先に、
「多分、あんまり長い時間は
「大丈夫。もとより一撃で決めるつもりだから。
そう言い放つルナちゃんに目線を奪われそうになったその時ちょこん、と、また頭の上に何かが乗っかる感触が伝わる。
「
「言わずもがな! あなたの精霊、面白いわね―――」
テリヤキの号令に、即座に言い返した
それは
「みんな! いっっっっくよ―――!!」
叫び、ありったけの
広く、大きく照らし出すのではなく、ここだけを、
「———凄い……。またあのディザイアーを投げ飛ばす程度の魔力を
ある者は浮き上がったディザイアーに繰り出そうとしていた攻撃の手を止め、ある者は他の魔法少女をサポートしようとしていた手段をディザイアーの
「「「「「「「「「「いっっっっっっっっっっっっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええええええええええええ!!!!!」」」」」」」」」」
半壊した体育館の
「——————っ、はぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
「いけ、ルナちゃん!!!」
「———クタバレぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええええええええええ!!!!」
さっきまでの
特大の一撃を
「くぇっ、きぃやぁぁぁぁぁっぁっぁっぁっぁ!」、と苦痛に
そしてそれは
それに
「…………終わ、った……?」
短くもとても長い時間、静まり返っていたように感じ、
その時、最初に口を開いたのはリサ先輩だった。
そして、それは次々と周りに
「———勝った!」
「「勝ったんだ!!!」」
続いて体育館の中から様子を見ていた生徒達が次第に喚起を上げていき、全てが終わったと実感せしめた国家魔法少女達が近くの者同士で抱き合い勝利に打ち震えだしていく。
それらに釣られて、
ルナちゃんは背中を見せたまま顔だけでこちらを
立ち去るその前、顔を戻すその寸前に、口元がパクパクと動いていたようにも見えたけど、多分気のせいだろう。
見えたとしても、ここからじゃ
「
ルナちゃんを思って涙ながらほほ笑んだその時、体育館の
ふらつく足はその衝撃を受け止めきれず、
そこで襲撃者の顔を見てみると、それは涙で顔を
「こ、
「
「私は、
「大丈夫だよ。
衣装や体と同じようにボロボロになった腕で強引に涙を
「ほら笑って。
「と………
その
やがて辺りは夕焼けに包まれ、世界を巻き込んだ一大事件の起こった日は、夜の
『ありがとう……トモナ』
第一章 - 覚醒 完
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます