お前、オレ達を騙しやがったのか?

 ミケトが個人的なメディカルチェック? をされる最中、メディカルルームに虎模様のショートヘアのトーラが入ってきた。


「おーい、マダラ~まだ終わらねーのかー。シロンに頼まれてオレが新人の面倒を見ることに……ってうぉい!」


 トーラが見た先にはミケトを襲っているマダラの図であった。

 トーラは、少し静止後、事態を見てマダラを止めに入った。


「ったく、どうしたんだマダラお前らしくない」

「どうしたもこうしたも、トーラも気になるでしょ? ミケトちゃ……ミケト君に付いているモノ」

「はぁ? なんだよ付いているモノって、第一こいつは三毛で女だろ?」


 トーラも知らされて無い以上、三毛=ほぼメス理論で、容姿的にミケトを女の子だと思う。


「それがそうじゃないみたいなのよね」


 マダラはミケトが記入した書類をトーラに渡す。

 そして、性別欄に雄と丸を付いているのを確認する。


「なんだコレ、おい間違えているぞ!」

「それであっているよ、僕は男の子だよ」

「と言うとお前、オレ達を騙しやがったのか?」


 トーラは、ミケトに対して騙す騙さないの話をしてくる。


「違うよ、それにシロンさんは知っているよ」

「となると、詐欺を働いたのはシロンの方か……あの人、たまに肝心な話を忘れるならな」

「わかってもらえた?」


 トーラはちょっと考えて、ミケトに答えた。


「まあいいか、元々猫耳特殊部隊は男女混成部隊が主流だし、たまたまうちのチームだけ女の比率が強かっただけ、男が入ったっておかしくはない」

「そうね、トーラちゃんも虎坊主って言われているし」

「あ?」

「よかったわかってもらえて、このままだったら僕は女の子の隊員服を着せられられるところだったよ」


 ミケトは、ふうと息を吐き心を落ち着かせた。

 しかし、トーラは心配そうな顔をして呟いた。


「だけどなぁ、オレらはいいんだよ問題は……」

「サビィちゃんね」

「えっと、あの鼈甲髪の子」


 サビィは、鼈甲髪のひかえめな女の子である。


「あいつな、ちょびっとばかし男が苦手なんだ」

「そうね、チーム内は女の子しかいなかったから大丈夫だったけど」

「まあ、その事を含めて色々話してやるから、えっと……ミケトとりあえずメシ食いに行くぞ」

「あ、うん」


 トーラは、ミケトを連れてメディカルルームを出ようとする。


「まって食堂に行くなら私も」

「マダラ、まずあんたは自分の仕事を終わらせろ、それとこいつの隊員服は女モノにしておけ」

「トーラさん、それってもしかして」

「もちろんお前が着るんだよ!」


 そして、二人は食堂へ向かうのであった。

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