第32話 武器

「佐藤さん、ちょっと今から会えんかな」


 そう鮫沢から誘われたのが昨日の夜だった。


 俺は昨日ナチョスの店を出てから、自宅に帰るかどうか迷っていた。


 ナチョスのDMへの返信を1万件ほど開封し、協力者の数が600万を超えたあたりで時刻も19時になっていたので、ナチョスが店仕舞いをする為に作業を一旦切り上げたのをきっかけに、俺も押入れの中でじっとしているのが辛くなっていたので店を出る事にしたのだった。


 電車で都内に来たのも久しぶりだったし、少しブラブラしてから、どこかで食事をとろうと思っていた。


 秋葉原は夜も人通りが多く、人の目が多い場所ならそれほど危険は無いだろうと思ったのもあるかも知れない。


 右手にはギプスが巻かれていて、箸やスプーンを使うのは難しい。


 結局、昭和通りまで歩いてハンバーガーショップに入り、食べやすそうなハンバーガーと、ポテトやチキンナゲットの様な左手でも食べやすそうなものを注文した。


 注文した商品を持ってテーブルに着き、左手でポテトを食べ始めた時に、テーブルに置いた、紙袋にくるんでいたスマートフォンが振動している事に気付いたのだった。


 あれから俺はスマートフォンを紙袋に入れて持ち歩いている。


 スマートフォンから盗聴される事を警戒するのなら電源を切っておけば良いのかも知れないが、さすがに誰とも連絡を取れなくなるのは良くないと思い、マナーモードにして紙袋に包んで持ち歩いていたのだ。


「ご無沙汰しております、鮫沢さん」


「佐藤さん、ちょっと今から会えんかな」

 そう言う鮫沢の声は、いつもより落ち着きが無いように感じられた。


「ええ、もちろん構いませんが、何かありましたか?」


 鮫沢にも会いたかった俺にとって、突然の鮫沢からの誘いは「渡りに船」ではあるのだが、どうにも鮫沢の様子がいつもと違う。


 それに、明日会おうって話ではなく、夜の21時前になって「今から会おう」というのも、還暦を過ぎた鮫沢にとっては大変な筈だ。


 それをおして今から会おうと誘ってくるからには、何か急ぎの用があるという事なのだろう。


「ああ、大学を出てわしは今、新宿駅に向かっとるんだが、佐藤さんは今どこにおるかな?」


「今は秋葉原付近にいますよ」


「おお、それは丁度ええ! 新宿で乗り換えて今からそっちに向かうで、あんたは秋葉原の駅の近くで待っててくれんかの?」


「ええ、それは有難いのですが・・・、一体何があったんです?」


「・・・それは会ってから話す。とにかく今はをあんたに渡すのが先決じゃ」


 鮫沢の言う「コレ」が何を指すのかは分からないが、恐らく重要なものなのだろう。


 先ほどナチョスと決起したクリスマスの情報公開に役立つものかも知れないし、黒いモヤについて大きなヒントをくれた鮫沢の事だ。何か決定的な研究結果が出たのかも知れない。


「分かりました。では、間をとって、お茶の水の駅で合流しませんか?」


「ええじゃろう。そうしよう」


 鮫沢はまだ新宿の駅に向かっているところだと言っていた。


 新宿駅からお茶の水までは中央線で20分程度だろう。


 秋葉原からお茶の水駅なら、同じく中央線で隣の駅だ。


 おそらく30分後くらいに合流できれば良い筈だから、15分くらいで食事を済ませれば、丁度良い時間に合流できる筈だ。


 俺は左手を使い、まだ慣れない手つきでハンバーガーを掴むと、口元に運んで頬張った。


 こんなジャンクフードみたいな食事は久しぶりだ。


 しかし、ずっしりとお腹に溜まる感じは、高揚していた俺の気持ちを程よく抑えてくれている気もした。


 場合によっては、今後この様な食事が出来なくなる可能性だってあるのだ。


 そんな気持ちで俺は、まるでご馳走を味わう様にハンバーガーを噛みしめたのだった。


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「鮫沢さん、お久しぶりです」


 お茶の水駅の改札口の前で、背中にリュックを背負った鮫沢が姿を現すのを見て俺は声を掛けた。


「おお、お元気そうで何よりですな!」


 少し乱れた白髪もそのままに、笑顔で歩み寄る鮫沢の息は、寒さのせいか少し白くなっていた。


 俺はギプスを巻いた右手を上げて、

「色々ありましたが、まあ元気ですよ」

 と苦笑しながら返すと、


「その手はどうしたのかね?」


 と表情を曇らせながらそう訊いた。


「まあ、色々ありましてね。詳しくは後ほどお話します」


 日中ナチョスと遭った時には悲壮感さえ醸し出していた筈の俺が、今では事故の事を、まるで笑い話でもする様に話せている自分に少し驚いていた。


「そうか・・・、で、佐藤さんはこの辺りでゆっくり話せそうな店は知っとるかの?」

 と鮫沢は俺の顔をまじまじと見ながらそう訊いたが、俺はこの辺りにそれほど詳しい訳ではなかった。


「いえ、すみません。あまり詳しくありませんでして・・・」


 俺がそう返すと、鮫沢は何度か頷き、


「気にせんでください。じゃあ、ワシの知り合いの店に行こうかの」

 とそう言うと、改札を出て駅前に並んでいたタクシーに向かって手を上げていた。


 俺達は早速タクシーに乗り込むと、鮫沢は

「神楽坂まで」

 と短くドライバーにそう伝え、スマートフォンを取り出すと、これから行く店の知り合いらしき相手と連絡を取っている様だった。


 俺は車窓から見える神田川を見ながら、流れる夜の東京の景色を見ていたが、10分も走らないうちにタクシーは飯田橋を超えて、神楽坂を登り始めていた。


「ここで止めてくれ」


 鮫沢がそう言うと、タクシーは神楽坂の中腹で停車した。


「980円になります」


 ドライバーがメーターを止めてそう言ったのを聞いて、俺はジャケットの内ポケットから財布を取り出すと、

「私が払います」

 と言って千円札を取り出そうとしたが、片手で紙幣を取り出すのに手間取っている隙に、鮫沢が代金を支払ってしまった。


「ワシが誘ったんだから、ワシが払うのが当然じゃ」

 そう言いながら鮫沢は、「利き手が故障とは、不便そうじゃのぅ」

 と同情する様に顔をしかめた。


「はあ、どうも・・・」

 と間の抜けた返事をした俺は、財布を胸ポケットに戻し、鮫沢に続いてタクシーを降りたのだった。


 タクシーを降りた俺達が入ったのは、細い脇道に入った先にある料亭の様な店だった。


「何だか高そうなお店ですね」

 俺は俗物的なセリフを吐いてしまったなと、少し恥ずかしく思ったが、鮫沢は気にする素振りも見せずに、


「大した事はありゃせんよ。まあ、あんたは失業中なんじゃから、今日は財布の事は気にせんでええよ」


 なんとも心強いお言葉だな。


 俺は苦笑しながら鮫沢について店の暖簾のれんくぐって店の中に入ったのだった。


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「ほう・・・、そんな事があったのかね」


 鮫沢が店に入ると、店の女将が挨拶に来て、店の奥の方にある小さな個室に通してくれた。


 女将に二言三言言葉を交わした鮫沢は、両手に抱えたリュックを床に降ろし、俺にも座る様に促した。


 座敷は掘りごたつになっていて、座椅子が向い合せに2つずつ並んでおり、俺は右側の座椅子に腰を下ろした。


 向かいの座椅子に腰を下ろした鮫沢は、リュックから分厚いファイルを取り出すと、


「先ずは佐藤さんの話から聞かせてくれんかの」

 と、俺の右手を見ながらそう言ったのだった。


 俺はマンションに怪しい人物がいた事や、車に何か細工をされたらしい事。さらに事故を起こして入院していた事や、更に病室で見た黒いモヤについて話した。


「ほう・・・、そんな事があったのかね」

 と顔をしかめながらそう言う鮫沢は、丁度やってきた女将がビールや前菜を配膳しだしたのを見ながら、


「女将さん、この人が利き手を怪我しとるんで、フォークか何か貰えんかの?」

 と気遣いを見せたが、女将は微笑を讃えながら、

「どうぞ」

 と言って、既に盆に乗せていたフォークを俺の前に置いてくれた。


 なるほど、高級な料亭の女将ってのは、店に入った俺の右手を見て、既にそうした心配りができるのだな。


 俺は妙な感動を覚えながら、女将に軽く会釈をして礼を述べた。


「さすが女将じゃの」

 と鮫沢がそう言うと、女将はフフフと小さく笑い、


「鮫沢先生がここに来る時は、いつも大変なお客様をお連れになりますからね。今回も特別なお客様なのでしょう?」

 と言って軽く首を傾げた。


 何とも美しい女将だ。


 年齢は50を超えていると思われるが、着物の襟から伸びる首筋は色気さえ感じさせる。


 上品な立ち振舞いは、その一挙手一投足にまで隙が無い。


 ・・・これが高級料亭の女将さんか。


 グラスにビールを注ぐその姿までもが上品で、俺はその姿に少し見惚れていた。


「ありがとうございます」


 絶妙なビールと泡のバランスで注がれたグラスは、暖房の効いた個室の中で、とても旨そうに見えた。


「佐藤さん、とりあえず、生きて再会できた事に乾杯じゃの」


「そうですね」


 そう言いながらグラスを持ち上げ、鮫沢のグラスに当ててチンっと音を鳴らした。


 グビリと一口飲んだビールは旨かった。


 鮫沢がグラスのビールを一気に飲み干すと、女将が鮫沢のグラスにビールを注いで一歩下がると、


「では、素手でもお食事しやすいように、お料理はお寿司を中心にさせて頂きますね」


 そう言って個室の襖を開けて、鮫沢が「宜しくたのむ」と言うのを確認してから部屋を出て行った。


「さて、ここから本題なんじゃが」

 と鮫沢は、もう一口ビールを飲んでからそう言った。


「はい」


 と俺が返す目の前で、先ほど取り出した分厚いファイルを開いて、いくつか付箋ふせんを貼ったページを広げて見せた。


 そこには色々な化学記号や表の様なものがあり、俺には意味が解らなかった。


「これは、佐藤さんが遭遇したという、『黒いモヤ』を科学的に検証した結果が書かれておるものじゃ」


 鮫沢の説明によると、黒いモヤはやはり「酸化グラフェン」という物質を軸に、電磁波によって操作されたもので間違いないだろうという事だった。


 そして、次の付箋を貼ったページをめくると、更に見た事も無い図解があり、


「これを操作する電磁波は、既に日本の都市部には飛び交っとるんじゃよ」

 という事だった。


 つまり、テレビやラジオ、電話やインターネットなどの通信に使われる電波を含め、様々な電磁波が空中に飛び交っており、それらが人間の身体に、意識できないレベルで影響を及ぼしているという事だった。


 そして、そうした電磁波に別の電磁波を照射する事で、ある程度操作する事が可能

 で、このページの図解はそれを示しているらしい。


 次のページには、またも俺には分からない多くの図が並んでおり、


「酸化グラフェンは分子レベルで中空に散布する事が可能なんじゃが、それを電磁波によって一か所に纏める事が出来るんじゃ」


 という事が書かれているそうだ。


 空気中に舞う分子レベルの酸化グラフェンは、電磁波を照射する事である程度、濃度を操作できるようになるらしい。

 そしてそれらに反応しやすい人間が居て、それが、


「体内の酸性濃度が高い人間ほど、この影響を受けやすい事が分かったんじゃ」

 という事だった。


 身体の酸性濃度が高い状態というのは、普段の食生活による部分が大きいだろうと鮫沢は考えているそうだ。


 カップラーメンやインスタント食品、古い油を使った揚げ物ばかり食べていると、その傾向が強いらしい。


 さらに体内の酸化濃度を高める一番の原因が「ストレス」なのだという。


 どんなに健康的な食生活をしていても、強いストレスを感じると人間の身体は酸化濃度が高まり、免疫力の低下や体調不良などを起こすというのだ。


 なるほど、佐智子はいつもインスタントやレトルト食品で済ませる事が多かった。


 それに、俺が退職したという話を聞いて、大きなストレスを感じた事で、そうした影響を強く受けてしまったのかも知れない。


 俺は比較的健康的な食事をしているつもりだったが、これまでに色々とストレスを溜め込んできたし、事故によって更にそうした傾向が強まったのかも知れない。


 そういえば病室での俺は、色々と思い悩んでストレスを高めてしまっていたかも知れない。


 つまり、俺が病室で出会った黒いモヤというのは、俺が強いストレスを感じて体内の酸化濃度を高めてしまった故に招いたものだったという事か・・・


 もしかしたら、俺があの黒いモヤから間一髪で逃れられたのは、普段の食生活が比較的健康的であったおかげかも知れない。


 もしそうだとすれば、今さらだが両親には感謝しなければならないな。


 子供の頃から自然農法で育てた健康的な野菜を沢山食べて、レトルトやインスタント食品などほとんど食べさせてもらえなかった。


 そうして健康的に育ててもらえたおかげで、俺は一命を取り留めたという事なのだろう。


「それでな、これらが解明できた事で、その電磁波がどこから操作されているかを調査してみた訳じゃ」


「確かにそこが重要ですね」

 そう、これこそが柴田やナチョスの考えが正しいかどうかの裏付けになる重要な部分だ。「で、どこから操作されていたんでしょうか?」


 鮫沢はファイルのページをさらにいくつかめくり、日本地図が表示されたページを広げた。


 その地図には数か所に赤い印がついており、その印は沖縄県に集中していた。


「沖縄の米軍基地じゃな」


「沖縄・・・ですか」


 意外だった。


 今回の大量自殺は首都圏で起こった事件であり、沖縄や西日本でそうした事件があったという報道は無かった。


 これまで得てきた情報から、電磁波の発信源が米軍基地かも知れないとは思っていたが、それは横須賀だと思っていた。


「しかし、沖縄から一体どうやって・・・」


「それじゃがな」

 と鮫沢が再びファイルのページをめくり、今度はよく解らないアンテナの様な写真とグラフの様なものが描かれたページを開いた。


「佐藤さん、あんたは『ハープ』という名前を聞いた事はあるかな?」


「ハープ?」


「そうじゃ。アルファベットにすると、HAARPとなるらしいわい」


「はあ・・・、で、それが何なんです?」


「これが電磁波を操作していた施設なんじゃよ」


 鮫沢は開いたページに指を置き、HAARPについて説明を始めた。


 鮫沢の説明によると、HAARPとはオーロラ研究の為の設備という名目で設置された設備だそうで、アメリカのアラスカ州やネバダ州に設置されているらしい。


 それは強い電磁波を発信する事が出来、地球の電離層に反射させれば、地球上の広い範囲で気候を操作したり、電波の撹乱や操作を行う事も出来るのだという。


 そして数年前に、沖縄にも同様の施設が設置されたことで、地球上の殆どの地域に電磁波を飛ばす事が出来る様になったのだという。


 そうだったのか・・・


 これまでに得てきた情報、陰謀論と呼ばれた真偽の怪しい情報なども含めて、それらの情報が一本に繋がった気がした。


「でな、ワシがこれらの情報を調べていた事がどこかから洩れたらしくての」


「・・・何かあったんですか?」


「電話があったんじゃ」


「どこからです?」


「外務省からじゃよ」


 俺はハッと息を飲んだ。


「で、どんな内容の電話だったんですか?」


 俺の問いに、鮫沢は一つため息をついた。


「これ以上この件に関わるなという内容じゃったな。で、集めた情報は焼却しろとな」


「で、あなたは何と応えたんですか?」


「ワシか? そりゃあ・・・」

 と言って鮫沢はニヤリと笑うと、「命が惜しいんで、『その様にします』と答えたわい」

 と続けて、カラカラと笑った。


 鮫沢は笑い終えて突然真面目な顔になると、


「でな、そう答えたものの、やはりこのファイルはあんたに託すべきじゃと思ってな」

 と言いながらファイルを閉じ、「この情報の半分は柴田さんから得たものじゃ。柴田さんが政府から狙われとる。なので、この情報はアンタが持っておいてくれ」

 と続けて頭を下げた。


 なるほど。


 これはものすごい証拠になるだろう。


 ナチョスと計画しているクリスマスの一斉情報公開作戦で、この情報も公開すれば効果は絶大だ。


 しかも、政府からそうした圧力がかかるという事は、それこそこの情報がとてつもなく重要なものだという事の証拠でもある。


「鮫沢さん、実はね・・・」


 俺は鮫沢が頭を上げるのを待って話し出した。


「再来週のクリスマスイブの夜、とある人の協力を得て、今回の一連の事件に関わると思しき官僚や政治家の名前、そしてそこに至ると思われるお金の流れ等が分かる情報を一斉公開する計画を立てています」


「ほう・・・?」


「で、その時にこの情報も一緒に公開すれば、全ての情報が明るみに出る事になります」


「ふむ・・・」


「ただ、この情報を公開すれば、鮫沢さんの身にも危険が及ぶ可能性もあります」


「・・・そうじゃろうな」


「そこでご相談なのですが、それらを承知の上で、この情報を公開させてもらう事を許可してもらえないでしょうか?」


「・・・それは、許可できんな」


「そんな!」

 俺は思わずそう声を荒げてしまったが、鮫沢の命が危険に晒される事を思い、「いや、それは当然の事かも知れませんね」

 と言って深呼吸をして自分を落ち着ける事にした。


 鮫沢はしばらく黙っていたが、ビールを一口飲んでグラスを置くと、


「ただし、今日この情報は、誰かに盗まれてしまった」


 突然の話に俺は混乱した。


 どういう事だ?


 呆気に取られている俺を横目に、鮫沢はさらに口を開いた。


「ワシはこの情報を焼却しようと持ちだしたが、途中で知らん男にこのファイルを盗まれてしまった。なので、既にワシの手に無い情報を、誰がどこで、どのように扱おうともワシは知るところでは無い」


「つまり・・・?」


 と俺は口にしたが、鮫沢の言いたい事を理解していた。


 つまり、俺がこの情報を鮫沢から盗んだという事にしてくれという事だ。


 そして、その情報をどう扱おうとも、こちらの自由にして良いとも言っている。


「失礼します」


 その時、個室の襖が相手、女将が豪華な寿司を運んできた。


「おお、旨そうじゃの!」


 テーブルに並べられた豪華な料理を前に、鮫沢は大袈裟おおげさに驚いて見せた。


 俺は鮫沢の意図を汲み取り、


「ありがとうございます」

 と、鮫沢に言ったのか、女将に言ったのか、またはその両方だったのか、自分でもよく解らない言葉に、自分でもおかしくなって自然と笑いがこぼれた。


 ・・・もの凄い情報を得た。


 これは俺達にとっては最強の武器だ。


 敵の急所を突ける「情報」という武器だ。


 そして、その武器を500万以上の数の力で繰り出す事ができれば・・・


 俺は自分の想像に身震いしながら、旨そうに寿司を頬張る鮫沢の、どことなく嬉しそうな顔を見ていたのだった・・・

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