空想上のもぐらをたたきにする

空想上のもぐらに話しかけた

空想上のもぐらはぼくを見てニヤリと笑った

それにどうしてだかムカついたので

もぐらを輪切りにしてポン酢をかけて叩いて味を染み込ませた


空想上のもぐらはぼくの心の中にいる

空想上のもぐらには目があるのだろうか

暗い土の中にいては光などなく

もぐらは目が退化した

光の中に生きるもぐらがいたらそいつは目が利くだろうか


空想上のもぐらに目はあるだろうか

空想上のもぐらならぼくの顔を覗き込むくらいには視力があったかもしれない

でもぼくと心中のもぐらは光など感じず退化した目を持っているかもしれない


空想上のもぐらに目はあるだろうか

少なくともこのたたき、目はついていなかった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る