遺されたと知りながら歌声を響かせる人を

遺されたと知りながら世界に謳う人を

私は尊敬する。私にはきっとできないことだ。


極めて善良であり、あらゆる行動が奉仕的であり、健全であり、過剰なまでに献身的な人間がいた。


遺された悲しみを背負う人に、その人間は過剰なまでに献身的に努めた。


肉を削りながら、骨を折りながら、腸をかき出しながら、目玉を抉り捧げながら、心臓を自ら抉り切り刻みながら。


果たして、その献身は正しく人を救えていただろうか。

果たして、その献身は優しく人を支えていただろうか。

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