夜の雨

後悔するのはいつもどしゃ降りで

自転車でずぶ濡れに高笑いしてた

今日みたいな雨の日は全てを悔やむ


特筆すべき悲劇があったわけでも喜劇があったわけでもなく、凡庸な人間が快楽に膝上辺りまで沈んで生きながらえてきただけ


溺れていたならまだ救いようはあったかもしれない

口も塞がれていたなら個性として揚々と掲げることが出来たかもしれない


都合のいいちょうどよい快楽のぬるま湯を楽しみ、されど欲深さは見せず、なければ諦め執着もなく牙を抜かれた肉人形


快楽の器

器でしかない

蓋も割られた伽藍堂

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