人と関わること
人と関わること、それは私の人生を支え、狂わせ、壊してきた。
ありとあらゆる苦しみを味わった。ありとあらゆる不安をかき集めた。心を押しとどめれば、目からは涙があふれ喉から血の味がした。
ありとあらゆる人に救われた。関わってきたあらゆる人に。インターネットという逃げ場を知ったのは私に深い傷を負わせた人物であったし、恋という逃げようがなく危険な感情を教えられたのは私を癒した人物だった。
人との関わりにはありとあらゆる快楽と苦痛が詰まっている。マゾヒズム的に言っているわけではないが、ありとあらゆる苦痛も時折快楽に変わるのだ。人と触れ合うことでしか生きることができない人がいる。人と触れ合うことで傷を負う人がいる。人と触れ合うたびに壊れていく人がいる。人と触れ合うことで人になる人がいる。
歪んだ関わりを得てきた。歪んだ心を培った。生まれながらに歪んでいたかもしれないが、今となってはどうあったのかなどわかるはずもないのだ。今もなお歪んでいる。徐々に人から離れていくのが分かる。ゲル状の肉隗に等しい感情のコントロールを失った化け物になっていくのが分かる。そしてそうなった苦しみが人との関わりに由来するものだということも分かる。そして、それらを治療するためには人との関わりが必要であることも分かっている。
正常な状態の心で人と接すれば、罅のなく粘り強い心を持っていれば、早々傷つくこともないのだと気づくのがとても遅かった。
異常な状態の心で人と接すれば、罅割れ折れやすい心を持っていれば、全て傷になることに気づくのがあまりにも遅かった。
人と関わることでしか得られない快楽がある。あらゆる苦痛も同じくして詰まっている。いずれその苦痛すら快楽に置き換わる。
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