幕間8 Continue
バン。
(銃声、硝煙、死の香り)
バン。
(……そうか、死ぬんだね、ボク達)
(ねえ、フラン。どうしてあの男なんか、オリヴェルなんか信じてしまったの?)
(血縁なんてそんなに大事だった?)
(血なんか繋がってなくたって、君には仲間がいたのに。ノスタシオンだっていたし……ボクがいたのに)
(……ごめんね、少し意地悪を言っただけ。君がその手を振り払えなかったのは、君が優しい人だから)
(ボクみたいな身寄りのない踊り子に、手を差し伸べてくれるような人だから)
(……その優しさが報われない国なんて、クルーヴァディアなんて)
(滅びちゃったっていいよ、なんて言ったら、怒る?)
「……痛い」
(ボクの肉体が消えるのは、ボクが生きていたから)
(ならば、ボクの記憶が消えるとしたら)
(それもまた生の証?)
「……いらない」
(そんなもの、いらない)
(だって、死そのものが生の証なんだから)
(ボクが欲しいのは、)
「……愛の証だけ」
(ねえ、神様。本当にそんな人がいるなら)
(消えない記憶をください)
(生まれたその時から途絶えない愛の記憶を)
(生まれたその時から愛しい人を探すために)
「……フラン」
(愛してる。何千年経っても)
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