第4話 わんぱく猫と奇襲計画
ロイはガレージから出ると初夏の陽気を一身に感じることができた。いい天気だ。少しだけ身を震わせると、再びガレージに戻って食事を済ませた。今日も多めに食べることにする。そのまま食事を終えると、今日もひざかり公園へと向かった。
「よう、今日は早いな」
「おはよう」
ひざかり公園には、シャム猫のドニーとジャパニーズボブテイルのウニ、肉まんが待っていた。
「ちょっとだけ時間があったから、俺たちで作戦を立てたよ」
「作戦? なんの?」
ドニーは落ち着いた表情でロイに続けて言った。
「テチハを全員で奇襲することに決めた。そうすれば、グループ規模で上下関係ができることになるからな」
「強引なやり方だね」
「それは仕方ない。俺たちもこのひざかり公園を奪われるわけにいかないからな」
すると、ドニーは地面に何かを書き始めた。三つの点と、それを囲むように三つの小さな円を書いている。大雑把だが、わからなくはない。
「この三つの点がテチハの三匹だ。そして、俺たちはこの丸だ。要するに三つの方向から同時に奇襲をかける」
ドニーがそれぞれの三つの丸から点に向けて直線を引いた。囲い込んで奇襲する気であることがわかった。
「後は、俺たちの二匹、二匹、三匹でひたすら攻撃だ」
ドニーは3つの点の上に3つのバツを書いた。
「三匹から降伏の声を聞けば終了だ」
ドニーは顔を上げると、再び尋ねた。
「お前も参加しろ。一人でも抜けると厳しいんだ」
「……わかった。よくわからないけど協力はするよ」
「いい返事だ」
しばらくすると、スコティッシュフォールドのレミ、ラグドールのルル、ベンガルのスシも姿を現した。すぐにドニーとウニが説明をした。
「奇襲は構わないけど、少しやりすぎな気もするわね」
ルルは感想を述べた。少しだけため息をついている。
「あたしはちょっと怖いなぁ」
穏やかなスシにとって、喧嘩は苦手な分野だ。ベンガル特有の虎に似た毛並み模様は強そうだが、実際には優しい性格だった。
「でも、先制攻撃には賛成だわ。それに確実に勝つためには、全員で仕掛けた方がいいと思う」
立案者の一匹である肉まんも賛同する意志を示した。
「じゃあ、全員に聞くぞ。賛成する者は前足を挙げてくれ」
ドニーの声に反応するように前足を上げていく。スシはみんなが上げると、渋々と賛同する意志を示すように前足を上げた。最終的には全員が賛成した。
「作戦は単純だ。三方向から奇襲をかけて、一匹が押さえつける。残りが首筋でもどこでもいいから噛みついて攻撃だ」
「うん」
「わかった」
ドニーの作戦は無事にグループの決議を通過した。
「では、次にいつ仕掛けるか?」
一同に沈黙が降りた。すると、すぐにそれを破るようにウニが発言した。
「今日だ! 今日やるべきだ!」
ウニは血圧が高いのかもしれない。飼い主は塩分を控えさせるべきだろう。
「今日? 随分と気が早いのね。でも、いつ仕掛けるべきかはわからないわ。私は今日でも構わない」
ルルの言葉にみんなは少し驚いたようだ。一方で、決行すべき条件は特にない。こちらの状況が良く、相手が揃っていれば条件は整うことになる。
「体調の悪い猫はいる?」
レミが声をかけて確認するが、そんな猫はいないようだ。体調が悪い時は、最初からこの公園には来ない。
「なら、今日決行だな」
ドニーとウニは顔を合わせると、うなづいて確認した。
「いつも、この時間にはテチハはいるのか?」
「ええ、私と話した時も早くからいたわ」
ドニーの言葉にレミが答えた。
「よし! なら、グループ分けしたら、早速決行だ!」
ドニーの鶴の一声で、ロイたちは詳細に作戦を組むと、テチハのいるこもれび公園へと向かった。
忍足でこもれび公園を七匹で囲んでいく。公園の中央にはテチハの三匹が毛づくろいをしているようだ。のんびりと寛いでいるのが見てとれた。
チームは3つに分かれている。北側はロイ、ルル、スシの三匹だ。
「よし、アイツらがいる」
「しっ……静かに」
ロイの言葉はルルによって遮られた。少しだけ何かに気づいた様子のテツが周囲を観察するが、気づかなかったようで、再び毛づくろいを始めた。
二つ目のチームはウニと肉まんだった。西側からテチハの方へと向かっている。
「クックックッ、これから一泡吹かせてやるぜ」
「……いいけど、無茶はしないでね」
その言葉に反応するかのように、今度はチルが周囲を見渡した。ウニと肉まんは姿を隠してやり過ごした。この作戦は全員が息を合わせる必要があったので、事前に見つかるわけにはいかなかった。
三つ目のチームはレミとドニーだ。南側から公園の中央を向いていた。
「いつもはこんな感じなのか?」
「ええ」
「……なら、そろそろ始めるか?」
「そうしましょう。さっさと戻ってのんびりしたいからね」
すると、レミとドニーは顔を見合わせて頷きあった。ドニーは大きく息を吸い込んで、大声を上げた。
「かかれっ!」
怒号が響きわたる。テチハが驚いて固まったのが見てとれた。同時に公園の北、西、南の草陰から七匹の猫が唐突に現れ、全速力で迫ってくる。
「くそっ!」
テツが慌てて対処しようとするが、何秒も余裕はない。急いでテチハが腰を上げて迎撃態勢を取るが、できたことはそれだけだった。
「ギャウ!」
ロイがチルに飛びかかった。一瞬だけ体を宙に浮かせて飛びかかる。上から勢いよく飛びかかることで、一気にマウントを狙うやり方だ。以前、テチハに襲われた経験を早速生かしていた。
「テメェ!」
そう怒鳴りながらも突然の襲撃で、チルの態勢は完全に腰が引けている。弱気になっているようにも見えた。ロイはしっかりと爪を立てて、チルの体に食い込ませていく。同時にルルとスシもチルの体に食らいついていく。簡単にチルの態勢が崩れて倒れ込んでしまった。チルは必死に体をくねらせて押さえ込まれないように抵抗する。しかし、三匹から奇襲されては、ろくに抵抗することもできずに押さえ込まれてしまった。すると、最後にロイがチルの首元に食らいついて完全に動けないようにマウントを取った。
一方のウニと肉まんは日頃のトレーニングを発揮させる絶好の機会だった。おまけに兄弟で練習していたため、連携も完璧だった。
全力で駆け抜けていくとハスめがけて飛びかかった。ロイほど上方からは攻めていない。ウニは飛びかかる時間を最小化しているようだ。同時に肉まんがハスの胴体に食らいついた。
「クソが!」
ハスは、そう吐き捨てるが、ウニと肉まんの高速な連携によって、すぐに押さえ込まれてしまった。あっと言う間にウニに首元に食いつかれてマウントを取られてしまった。
『やられた!』
首元を押さえられているために、声さえも出てこない。頭の中で敗北を噛み締めることしかできなかった。
最後のレミとドニーは、無言でテチハのリーダーであったテツめがけて走り抜けた。
「卑怯者!」
テツが言えたのはそれだけだった。ドニーが勢いよくタックルをかますようにテツの体に突進した。すると、そのまま爪を立ててテツの体に爪を絡み付けていく。簡単にテツの体を捉えることができた。態勢が崩れたテツは、必死に勢いを受け流そうと試みるが、必死に食らいついたドニーを離すことができない。
「さっさと離れろっ!」
腰元に抱きついたドニーに、テツは食らいつこうとするが、噛み付くことはできない。焦ったテツが顔を上げると、そこにレミが噛みついてきた。レミは素早く首元に噛み付くと、勢いを利用してテツの体を崩すことに成功した。
ドニーとレミの連携もなかなかのもので、テツに戦いの主導権を渡すことはなかった。
しばらくの間、必死に抵抗しようとするテチハの三匹がもがいていたが、ロイたちの七匹は抑え続けることに成功した。
「あんたたち! 降伏しなさい!」
レミの声が響き渡った。
「わ……わかった。降伏する!」
テツの敗北宣言を聞き入れた七匹は、体を離すとテチハと向かい合った。
「これからはひざかり公園には来ないでちょうだい!」
「……はいよ」
もうどうでも良くなったのか、テツの態度はぶっきらぼうだった。
「それから!」
「いや、それだけで十分だ。猫の頭でいくつも守れるわけないからな」
レミの言葉を遮るようにドニーが注意した。
「わかったわ」
レミは興奮した様子で肯定した。
「いいか? ひざかり公園には来るな。それくらいは守れよ」
「……フンッ! 誰がお前らにみたいな卑怯者どもと関わるか!」
テツは苦し紛れに吐き捨てた。その返事を聞いた七匹はひざかり公園への帰路についた。
その後、しばらくの間、テチハの三匹は敗北感に打ちのめされていた。いつもは、テチハが相手を圧倒していた。しかし、今回は逆だ。
「くそ……完全にやられたな」
「……ああ」
チルとハスもがっくりとうなだれているようだ。初めての敗北だったのかもしれない。
「どうするんだ? テツ」
テツはチルとハスに比べると、少しだけ冷静さのある猫だった。それでリーダーを務めている。
「そうだな……やられっぱなしじゃ、笑い者にされちまう」
テツはそう答えると、静かに復習計画を練り始めた。
「猫の契約はなんだ?」
テツがチルに視線を送った。
「覚えてないのか? 『ひざかり公園には来るな』ってさ」
チルの簡単な返答に、テツは少しだけ考え込むと続けた。
「なら簡単だ」
テツはチルとハスに復習計画を説明し始めた。
一方のロイたちは意気揚々とこもれび公園からひきあげてひざかり公園に到着すると、お互いの健闘を祝っていた。
「アイツら、言うほど強くなかったな!」
「ええ、やってみたら簡単だったわね」
ウニの言葉をルルは笑顔で返していた。
「これでひざかり公園を守ることができたわ」
レミは気が楽になったようで喜んでいるようだ。
「でも、アイツら、これからどうするのかな?」
安心したドニーは少しだけ不安だった。
「さぁ、どうだろうな。少なくとも、ひざかり公園には来ないだろうから、もういいんじゃないか?」
ウニのお気楽な返答に、ドニーは少し考え込んだ。
「他の猫がターゲットにならなきゃいいけどな……」
ドニーのもらすような言葉にレミが答える。
「あんまり気にする必要はないわ。それよりも、長老に報告に行きましょうよ」
「ええ、おじいちゃんには説明した方がいいからね」
肉まんも同意すると、七匹はギョウザの家へと向かった。
数分とかからずにギョウザの家に到着した。昨日と同じように肉まんが家の中へ声をかけると、やはり同じように少しだけ震えた両足を見せながらギョウザは登場した。
「じいちゃん! アイツら三匹ともやっつけたぜ!」
「……ほう、もう倒したのか。早いもんじゃのう」
ギョウザは吉報に顔を綻ばせた。
ウニが自慢げについ先程の奇襲作戦について説明した。ウニは簡潔に語ることが好きなのか、脚色はほとんどなかった。実際、簡単に終わったためだろう。
「これでアイツらがひざかり公園に来ることはないぜ! じいちゃんのトレーニングのおかげだな!」
「良かったではないか。しかしなぁ」
ギョウザは少しだけため息をついた。
「猫と言う生き物は通常、一度、勝敗がつくと上下関係が決まるから、喧嘩をすることはないようじゃ。しかし、報復される可能性もあるかもしれんのう」
「なんで報復なんてされなきゃならないんだよ!」
ウニはギョウザの言葉に疑問を感じたようだ。ひざかり公園に二度と来ないのなら、喧嘩にはならないはずだと考えていた。
「一度だけ聞いたが、要は、テツがレミのことを好きなんじゃろう? なら、諦められない可能性もあるじゃろうな。それに、お主たちのやり方も卑怯じゃったから、仕返しを考える可能性はありそうじゃ」
ギョウザの言葉にレミは頭を抱えた。
「……まだ続くんですか?」
「そうじゃよ。残念だが、続く可能性はあるのう」
レミだけでなく、ロイたちも嫌な予感を感じていた。
「まぁ、今日のところは気にすることはないわい。……どれ、お祝いに、ワシがマタタビを振る舞ってやろう」
すると、ギョウザは片方の前足を少しだけ浮かせると、空中にマタタビを出現させた。唐突に現れたため、ロイは完全に目を奪われてしまった。
「すごいだろ! じいちゃんは魔法使いなんだぜ!」
「ホッホッホッ、みんなには内緒じゃぞ」
現れたマタタビボールに全員が驚いていた。手品のようにも見えるが、猫に手品は無理な話だ。
「どんな魔法なんですか?」
レミが食いつくように質問した。隣でウニは現れたマタタビボールを口にくわえている。
「ワシの魔法はアイテムボックスじゃ。収納したアイテムを自由に出し入れできる……それだけじゃな。結構、便利じゃよ」
ギョウザはマタタビボールを空中で出し入れしている。
「どうやって覚えたんですか?」
ルルも興味津々だ。
「猫猫ネットワークの猫に教えられたんじゃよ。長老会のリーダーになった時にのう。ワシは魔法を信じておらんかったんじゃが、自分が使えるようになるとは思わんかったわい」
ギョウザの言葉にはロイも驚いていた。つい先日、ルルから噂で聞いた魔法を、今日目の前で見ることになるとは思わなかった。
「アイテムは五個なら確実に入るようじゃ。正確にいくつ入るかはわからん。一つのセットが1個のアイテムと判定されることも多い。今回のマタタビのように1種類ならば複数持つことができるんじゃ」
「へぇー、いいなぁ」
ドニーも魔法に興味津々だったが、急いで自分のマタタビを確保している。
「ワシはもう歳じゃから、この魔法は誰か若い猫に譲るつもりじゃよ。既に魔法の授受についても教わっておる。候補はおらんが、別にウニとかでも構わんからのう」
「それなら、早く俺に譲ってよ! じいちゃん!」
「ホッホツホッ、気が向いたら、そうするわい」
ギョウザはそう言いながら、マタタビボールの入った袋を収納した。
マタタビボールを口にした全員が、程なくして恍惚感に包まれ始めた。ロイは、マタタビを食べたことがなかったので、初めての感覚に驚いているようだ。
ウニと肉まんは何やら二匹で戯れあっている。マタタビで活発になるタイプの猫のようだ。ロイはフワフワとした感覚に包まれていた。ドニーは眠いのか、寝っ転がりながら目を閉じている。レミ、ルル、スシはボーッとするのが好きなのか、三匹でのんびりしながら話しているようだ。
「ふむ、しばらくは一個で十分なようじゃのう」
一匹だけマタタビを食べなかったギョウザは、みんなの様子を見て察したようだ。代わりにキャットフードと給水器を置いておいた。
「もし、何か食べたかったら、これを食べるんじゃ」
ギョウザの提案も、口にしたのはドニーだけだった。どうやら食欲は旺盛らしい。
その後も、猫たちのささやかな勝利を祝う宴会が続いた。ギョウザは何度かマタタビを追加したため、宴会は長時間にわたって続いた。
そんな宴会は結局、ギョウザの飼い主がロイたちを優しく追い払って終わりを告げた。
「マタタビなんて初めて食べたよ」
「そうなの? あれは猫にとっては心の洗濯みたいなものだわ」
帰り道、ロイとルルが二匹で話しながら歩いていた。
「心の洗濯?」
「そうよ。心の洗濯。つまり、ストレス解消に最高なんだからね」
「でも、うちの飼い主は出してくれないんだ」
少しだけルルが憐れむような目をロイに向けた。
「それなら、出してくれた時は喜ぶといいわね。そしたら、もっとくれるかもしれないから」
「わかった。思いっきり喜んでトイレに顔でも突っ込んでみることにするよ」
その言葉にルルが微笑んだ。
「ふふっ、そこまでする必要はないわ。却って出さなくなるかもしれないからね」
二匹は談笑しながら、ひざかり公園の脇を通りかかった。
「少しだけ寄ってみましょうか」
「うん」
夕方の公園は、誰もいないひっそりとした空間だった。この周辺の人間たちは、この空間を使わないのだろうか。
「ここはみんなの思い出が詰まった場所なのよ」
その言葉をロイは黙って聞いていた。
「いつも、ここに集まって同じ時間を過ごすの。一匹だけで飼い主が帰ってくるのを待つよりも、いい時間が過ごせたのよ」
ルルがブランコに目を向けていた。ロイは、そこにも思い出が詰まっているのだろうか、と少しだけ感じていた。
「こんなブランコでもそう。みんなで飛び乗る練習をしたりしてね。人間みたいにこげないか試したりもしたのよ」
ブランコは、この公園にある唯一の遊具だった。誰も使わないブランコは少しだけ寂しさを感じさせるとロイは思った。
「草むらも私たちには最高だったわ。スシはよく草むらに隠れて私たちを驚かせようとしていてね。あの子はそういういたずらをするのが好きなのよ」
「少し意外かも」
「ええ、普段は大人しいし行儀もいいから、ふざけるように見えないのよね」
しばらくの間、ロイとルルは公園で寛ぐと、自宅へと帰宅した。
その様子を一匹の猫が遠くから様子を伺っていた。
ロイは自宅へ到着すると、早速、自動給餌器と自動給水機で食事を済ませた。
ロイの自宅のガレージには車は停まっていなかった。他にも荷物なども置かれていない空間で、ここには自動給餌器と自動給水機、爪研ぎ用の段ボール、猫用トイレと温度調節機能付きのキャットハウスしかない。入り口には猫なら出入り可能なドアがある。ドアと言っても開閉式の柵に近い。柵の上下には隙間があるため、猫の体なら出入りができた。
コンクリートとシャッター、そしてドアに囲まれているためか、少しだけひんやりとしており夏でも過ごしやすい。冬は大丈夫だろうか。
ロイは寝床に戻ると、ゆっくりと目を閉じた。
「随分といいベッドじゃねぇか」
その声に驚いたロイが目を開いた。ガレージのドアの近くにはテチハの三匹が並んでいる。急いでロイは立ち上がった。
「ニャウウウ!」
この状況はまずいと、すぐにロイは危険を感じた。一生懸命に唸るが、テチハは笑っている。
「フハハッ! 誰も来ねえよ!」
テツは余裕でロイを嘲笑った。
「ボコボコにしてやんよ。でも、猫の契約は守ってやる。ひざかり公園には行かない。その代わり、お前らを一匹ずつ絞めてやんよ」
チルの表情も同じく、ロイを嘲笑しているようだ。勝利を確信しているようにも見える。
「さっさと始めようぜ」
ハスがそう言うと、テツとチルも頷いて答えた。三匹がロイに迫ってくる。
『くそっ!』
ロイは心の中で、そう嘆くと、三匹に向かって襲いかかった。
襲撃は長くは続かなかった。三匹に噛みつかれ、爪で引っ掻かれたロイはあっという間にボロボロになってしまった。ロイの反応が弱くなると、三匹は攻撃をやめた。
「調子に乗ってたら、また来てやるよ」
テツの捨て台詞が響いた。すぐに三匹は姿を消した。ガレージにはボロボロになったロイが倒れていた。
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