009_全集を読んで、創作のプレッシャーが少し気持ちが軽くなった話
本当に好きな作家が1人決まったら、その人の全集を読んでみたほうがいい。
自分がこれまでに見てきた読書についてのアドバイスの中にそのようなものがある。私はそれに従って、株式会社イオから発売されている小松左京全集を牛歩のペースで購入している。
全集を読むことのメリットとして、その人の駄作を読むことができるというのがある。はじめこの話を聞いたときは、確かに色んな側面を知ったり創作を苦しむ過程なども知ることができて理解が深まってよいのかもしれないなと思ったのだが、個人的にメリットはそれだけではなかった。
私は趣味で小説を書いているし、小説を書くことは好きなのだが、小説を書くことがとても苦しくて嫌いでもある。自分が「これはあまりいい出来ではないな」と感じた作品を書き続けたり公開したりする勇気がなく、小説を公開するペースが非常に遅い。これは私が自分で選んでいることなのだが、それでもやはりつらい。
『日本沈没』のようなベストセラーを書いたような作家ですら、読んでいて、これは……微妙かな……となる小説が確かにある。しかしそのような作品を書いているからといってその人の評価が下がるようなことはない。同じ時代をリアルタイムで生きて作品を追っていたわけではないので、もしかしたら最近は調子が悪いとかスランプだとかの評価をされること自体はあったのかもしれないが、そうした評価は過去に書いた作品やこれから書く作品の評価を下げるものではない。
駄作を公開してもよいのだ。小説を書く側の人間として、そのことを感じて少し安心感を得ることが出来ている。
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