第2話 レッツダンジョン探索

「さあ、それじゃあ張り切ってダンジョン攻略を始めよう!」


 週末の土曜日、『転移魔法テレポーテーション』を使用して私とドロシーちゃん、それにユリちゃんの3人組はリンロット村の密林型ダンジョンに到着していた。


「……ねえ、なんで私も連れて来られたの? このダンジョンって、階層は多いけど敵が弱いって話だからアイリ1人でも余裕よね?」


「確かに私1人でも余裕だけど、今回はドロシーちゃんが最下層で発見されたドラゴンの素材を手に入れるのが目的だから、もしもそのドラゴンがエンシェントドラゴンとかで予想以上の強敵だったら守ってくれる人が必要かと思って」


「……あんた、本当にドロシーには過保護よね。正直、今のドロシーのレベルから考えれば、たとえエンシェントドラゴンが出て来ても自分の身ぐらい守れると思うわよ」


 呆れたような表情を浮かべながらユリちゃんはそう告げるが、何事も油断禁物である。

 確かに、ドロシーちゃんのレベルは297と騎士団に所属している騎士クラスまで上がっており、その装備もユリちゃんが持つ前世のゲーム知識で手に入れた強力な物を装備している。

 だが、それでもまだまだドラゴンと余裕で戦えるほどでは無いため、万が一の事が起きないように376レベルに到達しいてドラゴンともある程度余裕を持って戦えるユリちゃんが護衛に入ってくれた方が安心なのだ。


「と言うか、今のアイリなら全魔力を消費した『ドラゴニックオーラ』を使えば万が一の事態が起こる前に大抵の魔獣を一撃で倒せるでしょうに」


「でも、全魔力を消費しちゃうとその後しばらく魔法が使えなくなるし……」


「だけど、確か【MP魔力超回復 Lv.Ⅹレベルテン】があるから数分で魔力が全快するんじゃなかったっけ?」


 苦笑いを浮かべたドロシーちゃんにそう問われ、私は「それはそうだけど、その少しの隙に何が起こるか分からないから。それに、私が全力を出すと周りにどれだけの影響が出るか分からないから!」と胸を張って答える。


 この2ヶ月、『分身わけみ』を活用した超速レベル上げを繰り返した結果、とうとうユリちゃんのレベルを抜いて1学年最高レベルの称号を手にしていた。

 そして、そんな私の今のステータスはこんな感じである。


アイリス Lv.428(次のレベルまで12,239)

(能力情報)属性:星・人/竜 疲労度:― 疲労補正:0%

 適性武器:剣 適性クラス:剣士セイバー騎士パラディン竜王ドラゴンロード

 体力:43,640/43,640(21,820) 魔力:29,000/29,000 技巧値:400/400

 攻撃力:16,267(8,067)+21,400 魔法力:26,350(16,050)+12,840

 防御力:24,612(12,412)+4,280 俊敏力:24,510(13,910)

(装備)

 武器:神刀『三日月』

 防具:

  竜姫の礼服ドラゴンドレス

  竜姫の足具ドラゴンブーツ

 アクセサリー:

  幸運の指輪ラッキーリング

  戦神の祝福

  ドラゴンハート

(状態)

 【疲労無効】【全状態異常無効】【CP自動回復】【弱体無効】

 【HP自動回復(極大)】【MP超回復 Lv.Ⅹ】【竜皮ドラゴンスキン】【神域】


(習得魔法)

 聖なる矢ホーリーアロー 熟練度10/10 MP25

 聖なる槍ホーリーランス 熟練度10/10 MP65

 聖なる翼ホーリーウィング 熟練度10/10 MP90

 聖なる光ホーリーレイ 熟練度10/10 MP250

 漆黒の矢ダークアロー 熟練度10/10 MP25

 漆黒の槍ダークランス 熟練度10/10 MP65

 漆黒の翼ダークネスウィング 熟練度10/10 MP90

 漆黒の光ダークネスレイ 熟練度10/10 MP250

 混沌なる光カオスエナジーレイ 熟練度10/10 MP520

 小四大属性エレメンタルエナジー 熟練度10/10 MP40

 中四大属性エレメンタルフォース 熟練度10/10 MP130

 大四大属性エレメントバニッシュ 熟練度10/10 MP250

 極四大属性エレメンタルディザスター 熟練度10/10 MP450

 回復魔法ヒール 熟練度10/10 MP30

 自動再生リジェネレーション 熟練度10/10 MP150

 範囲回復魔法エリアヒール 熟練度10/10 MP285

 光の加護ライトプロテクション 熟練度10/10 MP20

 希望の光ライトオブホープ 熟練度10/10 MP200

 闇の霊気ダークネスオーラ 熟練度10/10 MP20

 絶望の闇ダークネスオブディスペア 熟練度10/10 MP200

 転移魔法テレポーテーション Lv.Ⅹ MP200

 創造魔法クリエイション Lv.Ⅹ MP360

 幻影魔法イリュージョン Lv.Ⅹ MP200 

 武器破壊ウエポンブレイク Lv.Ⅹ MP400

 魔獣召喚 Lv.Ⅹ MP2,000

 結界無効領域アンチバリアフィールド Lv.Ⅹ MP300

 専用魔法『女神の鉄槌アルテミスストライク』 MP780

 専用魔法『竜王の怒りラース・ドラゴニア』 MP10,000


(習得技能)

 ドラゴンスクラッチ MP300

 ドラゴンブレス(小) MP500

 ドラゴンブレス(中) MP800

 ドラゴンブレス(大) MP1,200

 ドラゴンブレス(極大) MP2,000

 エリアバースト MP3,800

 エナジーブラスト MP4,500

 ドラゴンズバースト MP5,200

 クイックチャージ MP???(ブレスの消費魔力×2)

 フライ MP100

 トランスポート MP1,200

 テレパシー MP10~(念話を繋げる対処との距離により消費魔力が上昇)

 ドラゴニックオーラ MP1,000×(1,000の倍数魔力を消費し、自身のステータスを【消費した倍数+1】倍する)


(保有スキル)

【特殊】

 次元の支配者ディメンショナルドミネーター Lv.Ⅹ

 創造者クリエイター Lv.Ⅹ

 変質者メタモルフォーゼ Lv.Ⅹ

 破壊者デストロイヤー Lv.Ⅹ

 召喚者サモナー Lv.Ⅹ

 聖杯カリス Lv.Ⅹ

 境界を司る者ボーダー Lv.Ⅹ

 竜の魂ドラゴンソウル

 完全なる肉体パーフェクトボディ

【パッシブ】

 属性支配者アトリビュートルーラー Lv.5/5

 解析者アナライザー Lv.5/5

 攻撃強化(大) Lv.5/5

 防御強化(大) Lv.5/5

 魔法力強化(大) Lv.5/5

 俊敏強化(大) Lv.5/5

 縮地 Lv.5/5

 不屈

 回復魔力量向上(大) Lv.5/5

 消費魔力軽減 Lv.5/5

 心眼

 雲隠れ

 収納空間アイテムボックス

 道具錬成アイテムクリエイト

 慧眼えげん

 装備破壊耐性付与

 召喚魔獣強化

【戦技】

 解析技巧アナライズ CP5

 不知火しらぬい Lv.5/5 CP20

 煉獄れんごく Lv.5/5 CP50

 鎌鼬かまいたち Lv.5/5 CP20

 疾風怒濤しっぷうどとう Lv.5/5 CP50

 地走じばしり Lv.5/5 CP20

 地烈斬ちれつざん Lv.5/5 CP50

 水面斬みなもぎり Lv.5/5 CP20

 激流爪げきりゅうそう Lv.5/5 CP50

 流水 Lv.5/5 CP30

 疾風 CP30

 不動 CP30

 分身わけみ Lv.5/5 CP50

 空間転移ディメンションムーブ CP30

 物質変換トランスオブジェクト CP100

 蜃気楼 CP60

 寸勁ゼロ・インパクト CP70

 召喚魔獣狂化バーサーク CP100

 秘技『流星剣シューティングスター』 CP100

 秘技『竜星剣ドラゴノイドスターズ』 CP200、MP400


 邪神エイワス討伐後、私が習得することの出来るスキルがいくつも増え、その中には当然【特殊】スキルもいくつか含まれており、その中で私は『聖杯カリス』と『境界を司る者ボーダー』の2つを習得した。

 それぞれの効果は、『聖杯カリス』が【MP超回復】を獲得し、『境界を司る者ボーダー』が『結界無効領域アンチバリアフィールド』と言う結界を無効化する魔法と【神域】を獲得するものだった。

 更に詳しく手に入れた2つの(状態)を説明すると、【MP超回復】は文字通り魔力の回復が急激に上昇する状態で、今の状態だと1秒間に100近い魔力が回復するので魔力を使い果たしても5分ほどで全快してしまうのだ。

 そして、【神域】は最近手に入れたばかりなので全てが分かっているわけでは無いものの、現在判明しているのは特定の条件下で敵の攻撃を軽減、もしくは無効化するもので、私の場合は魔力を帯びた攻撃以外の完全無効、つまりは純粋な物理攻撃の完全無効を手に入れるものだった。

 ただ、魔力を帯びた武器で攻撃されれば普通に物理ダメージを受けるし、そもそも【竜皮ドラゴンスキン】でかなりの威力を持った攻撃以外私にダメージを与えられないので、今のところは微妙な感じだろうか。


 それと、レベルアップと様々な訓練のおかげでいくつか魔法や【戦技】、(特殊技能)も増えており、その中で最も使い勝手が良いのが『ドラゴニックオーラ』だ。

 この技は発動時に消費した魔力量によって攻撃力、魔法力、防御力、俊敏力の4つのステータスを30秒だけ底上げするもので、1,000の消費なら2倍、2,000の消費なら3倍と言った感じで効果が強まる。

 そのため、現在私の最大魔力量である29,000を消費するとステータス(武器、防具の上昇値は変わらない)が30倍まで上がるのだ。

 つまり、30秒だけステータスが

 体力:43,640/43,640(21,820) 魔力:29,000/29,000 技巧値:400/400

 攻撃力:250,210(242,010)+21,400 魔法力:491,800(481,500)+12,840

 防御力:384,560(372,360)+4,280 俊敏力:427,900(417,300)

と言った感じに上がるのだ。

 正直、この状態になると私が軽く動くだけで衝撃波が発生して地面が抉れ、軽く殴っただけでも敵が跡形も無く消し飛ぶだけで無く地形が変わるほどの威力がある(と言うか邪神エイワスさえもこの状態なら一撃で葬れたと思う)ため、驚くべきことに国によってダンジョンなどの隔絶した空間か有事以外で消費魔力5,000以上での発動を禁じられている。


 あと、専用魔法『竜王の怒りラース・ドラゴニア』もこの『ドラゴニックオーラ』と同じステータスアップ系の技なのだが、増加倍率が3倍で固定されている代わり、解除するまでずっと発動し続けることが出来る点で優れている。

 ただし、この専用魔法『竜王の怒りラース・ドラゴニア』の発動中は魔力の回復が起こらず、『ドラゴニックオーラ』も発動出来ないと言う縛りもあるのだが。

 それと、もう一つ覚えた『ドラゴンズバースト』は邪神エイワスにトドメを刺した武器に『ドラゴンスクラッチ』を纏わせる技の完成形と言った感じの技で、暴走していたあの時よりは威力が落ちるものの、かなり制御がしやすくなっている。


「まあ、ここまで来た以上はきちんとドロシーは守るし、下の階層だと私でもそこそこ経験値をもらえるからこれ以上ツッコミを入れるのは止めておくわ。それより、明日までに50階層まで攻略するのならば早く入った方が良いんじゃないかしら?」


「それもそうだね。前回アイリスちゃんがボクを追って来た時に32階層までは進んでたから、そこまでは『転移魔法テレポーテーション』で一気に移動出来るよね?」


「うん、大丈夫だよ。なんなら、私がさっさと50階層まで駆け抜けて2人を迎えに戻って来ようか?」


「ううん、途中で手に入る素材も集めておきたいし、ボク達も一緒に行くよ」


「あと、アイリが戦うと私達のレベル上げが進まないから道中は後方で周囲の警戒だけに集中してもらうわよ」


 ユリちゃんのその言葉に、私は渋々「分かったよ」と返事を返したあと、「でも、ボスのドラゴン戦は危険そうなら私が一撃で終わらせるからね!」と言葉を付け足す。


「そこの判断はアイリスちゃんの指示にちゃんと従うよ」


「ただ、ある程度敵の実力を測るために最初にドロシー、次に私が攻撃を仕掛けるからそれまではちゃんと待ってちょうだいね」


「了解だよ」


 そうやってある程度の方針を決めたところで、私は「それじゃあそろそろ行くよ」と2人に声を掛け、『転移魔法テレポーテーション』を発動させて前回訪れていた32階層入り口へと転移するのだった。

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