第3話 心地よい贅沢から目が覚めて

目が覚めた。いい朝だ。

贅沢な部屋でオシャレなケトルでお湯を沸かし、

アッサムティーを入れてまだ夢見ごごち。


薫香高く、品がある。香り

好みの香りはなんですか?

私は柑橘系。オレンジが好き。

彼はどんな薫りが好きなんだろう。

リラックスって大切だ。

(不思議だな。あんなに不安になったりカリカリしていたりしたのに。心がおちついている。)

 気分を落ち着かせることも、テンションを上げることも必要だ。

けれど自分のしたいことをすることも大切だ。


結婚はうれしい。けれどもその後の嫁姑問題を考えると胃が痛くなるし、育児に関するともっと憂鬱になる。

義理の母はいい人だった。でも実際に暮らしてみると食の好みとか親戚に対するおもてなしを考えるとやっぱり違いがあるんだろう。

大掃除したり、おせち作ったり、お歳暮送ったり、親戚筋の結婚式に出たり。


彼は子供が2人は欲しいという。年齢的にはギリギリ可能だろうが、育てられるだろうか?

私は睡眠を妨げられるのが何より嫌いなの。

まだ美容をあきらめたくない。

肌を維持したい。


義母の協力で乗り越えられるだろうか?

実の母は孫の顔は見たくないらしい。だから俗にいうワンオペは必須条件ということになる。

年金だって絶望的。でも親戚には産めと期待のまなざしで見られている。

結婚おめでとうと子供の話はワンセット。

子供なしの選択をする夫婦もいるけれどまだまだ少数派。

しんどいなんて言葉で表せられない。

昨日のデトックスのおかげかまた頑張れる気持ちが芽生えてきた。

不安なことも紙に書きだした。

スケジュール帳も開い1ページ2ページと書いていく。

彼の前には幸せな自分で立つことができるはず。


鏡にスマイル。メイク良し、ヘアメイク良し、

ネイルもかけなし。

身だしなみ良し。

「かわいいよって言ってほしいな」

自分に暗示をかけて特上のリラックス空間を後にする。



帰宅後

帰宅後、余裕をもらい笑いあえると思った。

だから彼の好物を用意したのだし、部屋もきれいにしておいた。

私の期待とは裏腹に喧嘩になった。


彼は靴の用意をしてほしい。といってきた。

確かに仕事で、きっと時間に融通が利くのは私のほう。

今まで好きで用意してきた。

これからは同じようで少し違うんだ。

彼の好みも知っているし、仕事姿がかっこいい彼氏も見てみたい。


でも、彼は私の何を気遣ってっくれたのだろうか?

メイク、そのほかの身だしなみ。

すべて私の意志で用意している。同棲しているときも家事全般は私の役目。

私のキャリアは?

理解してくれないの?

「お前さ、勝手に動かないでくれよ。家事してくれよ。ここ2日出前取る生活してて栄養良くないなって思った」

自分でもびっくりするくらいに冷たくて機械な声が出た。

「ありがとうとかないんだ」

「思っているよ。いつも有り難いって。今度は俺も一緒にって話だろ」


 出会いかあって別れもある。

恋愛に余裕は必要。

かまってと言われたときに答えられない。

だから破綻する。


恋愛相手と結婚相手は別だ。


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