第12話 「気持ちを伝えあうって、難しい」友達っていうのは、いいねをもらえるようになる間柄のことなんかじゃないぞ!って、思わない?

 大会が、すべてではないんだ。

 辞退の結論。

 気持ちを伝えあうことの、重み。

 大会に出られなくたって、卒業し、社会に歩み出していく。

 大会辞退は、皆が出せた結論。

 良い経験が、できたじゃないか。

 皆で、気持ちを伝えあえたということ。

 強さを、もとう!

 貴重な、経験だ。

 「皆で、努力ができた。皆で話し合って、結論を導き出せた」

 これが、本当の、友達の輪。

 友達って、何なんだろう?

 友達っていうのは、いいねをもらえるようになる間柄のことをいうの?

 「友達に、会えないよう!」

 そう言いたいのなら、かまわないさ。幼稚で、ありたいのなら。

 「気持ちを伝えあうって、難しい」

 気持ちを伝えるのには、抱き合ったり、手をつなぎ合ったり、毛づくろいをするほうが良いとも言われる。これは、動物園のゴリラの研究から、わかっていることなんだけれどさ。

 それなのに、変なウイルスの社会では、身体の触れ合いが、制限されていく。

 どうすれば、良いのだろう?

 悩め、悩め!

 そうして悩めたところに、成長があるんだから!

 「気持ちを伝えるのに、意味のある言葉なんて、いらないのか?」

 私は、焦っていた。

 気持ちを伝えるのに、動きなんかいらないんだよっていうのなら、アイドルの存在価値って、何なんだろう?

 「おっつー!」

 「元気、してる?」

 「最近、どう?」

 「何とか」

 「ああ」

 「どうにか」

 「こうにか」

 中身があまりなさそうな言葉をかけるだけでも、気持ちは、伝わる。

 「アイドルのコンサとかライブって、気持ちの伝えあいの意味で、大切だったんだ」

 いろんな感触が、ほしいよ。

 弱い立場の人たちのことを、忘れないでいてほしい。

 気持ちを伝え合うと、いうこと。 

 それが難しくなるのが、レイカたちのような、目に痛みを感じる人たちだ。

 目に痛みを訴えて、感触が得られなくなっている人たちが、どんなに、苦しいことか。

 勉強の、日々。

 変なウイルス社会では、孤立を生まないよう、何とか、生きのびたい。

 孤立は、高齢者に多い?

 「パソコンも、使えないの?」

 そんな何気ない言葉に、高齢者たちは、ひどく落ち込む。

 若い世代も、そうらしい…。





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