レイカでリアコなアイドルオーディション[後編]~結末のリアルを、どう、考える?本物のアイドルって、何だろう?~
第6話 「努力のできる女性は、美しい」アイドルの、日本語注意報が続く。「あいつは、ひきょう。姑息だ」みたいに言う男子って、幼稚ですか?
第6話 「努力のできる女性は、美しい」アイドルの、日本語注意報が続く。「あいつは、ひきょう。姑息だ」みたいに言う男子って、幼稚ですか?
「レイカ?」
「うん」
「お母さん、応援してあげるから」
「…うん」
「あの子たちも、呼ぶんでしょう?」
「…うん」
「目は、今も、痛いの?」
「…うん」
「レイカ?泣くんじゃ、ありません!このチャンスを、生かしなさい」
「私、生き方が、わからなくなってきちゃった」
「ええ?」
「こんな社会で、私たちは、どうやって生活させてもらえるの?」
「レイカ?しっかり、しなさい」
「…」
「どうやったら生活をさせてもらうのかじゃなくって、どうやったら生活ができるのかを、考えられるようになりなさい」
「…うん」
「あなたには、努力が足りません」
「…」
「だから、すぐに、弱音を吐く」
「…」
「社会は、そういう人を嫌います」
「…」
「良い、レイカ?」
「何?」
「努力のできる女性は、美しいんです」
「…」
「努力のできない人になっちゃったら、どうするの?」
「…」
「バブルのじゃまおばさんたちに、なっちゃうでしょ?」
「…」
「努力ができる女性。そういう人が、本物のアイドルになれるんです!」
「…」
「できない子は、新卒の学校の先生レベルになっちゃうんじゃないの?」
「それは、いやだ」
「それか、オンライン就活ゲーム世代」
「果てしなく、いやだ」
「不思議、不思議…。帽子をかぶった、不思議さん」
「何、それ?」
「あとで、教えてあげます」
「お母さん?」
「何?」
「アイドルになったら、大学にいくの?」
「…さあ、どうでしょう?」
「お母さん?大学も、不思議だよね?」
「…」
「大学って、何なんだろう?」
「就職予備校」
母子の会話は、面白いようで、疲れる。
「お母さん?」
「何ですか?」
「日本の空気って、さ」
「はい、はい」
「いろんな意味で、姑息。ひきょうだよ」
「…」
「…あれ?」
「レイカ?言っておくけれど…」
「何?」
「姑息って、ひきょうとかっていう意味じゃないからね?」
「そうだっけ?」
「…信じられない。こういう子が、就職氷河期世代を、追い越しちゃったのか」
「男子とか、言ってたよ?あいつは、ひきょうだ、姑息な奴だ。みたいな」
「その男子、まともじゃないから」
母親から、日本語注意報が続きます!
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