第3話 やり直し、逆転アイドルへの、不安。オーディションの再審査の日までに、私がやっておかなければならないことって、何だろう?

 目の痛みが不安なのか、アイドル化が不安なのか?

 どちらが、不安なのか?

 自身でも、いよいよ、わからなくなってきた。

 「レイカ?本当のアイドルに、なりたいんでしょう?うろたえちゃ、ダメなんじゃ、ないの?」

 「…ダメ、ダメって、言わないでよ」

 「大人な女子が、言うこと?」

 「だからあ」

 「何ですか?」

 「今は、女子だからとかっていう、決めつけの言い方は、いけないんだよ?」

 「そうだったかしら?」

 「社会は、変わったんだよ?お母さん?」

 「そっか」

 「まったく…」

 「お母さん、忘れていました。今は、BLTの社会、だったねえ」

 違う。

 1年前と、同じ過ちですよ。

 「お母さん?」

 「何ですか?」

 「 BLTじゃなくって、LGBT」

 「わかっているよ、レイカ?」

 いや。

 あなたは、わかっていません。

  BLTでも LEDでも、ありません。

FBIでもありません。

  FBIに届いた、コロンバインの花は、あの方が気がかりっていう花言葉。私には、母親のほうが、気がかりです。

 「ねえ、お母さん?」

 「何ですか」

 「本当に、困っちゃったんだよ!」

 「うむ。余を、何と、心得る!まあ、落ち着きなさい。若者よ」

 「…ちょ。お母さん、何、言っちゃってるの?」

 「話せば、わかる!」

 「…はい?」

 「話せば、わかる!」

 「…何が?」

 「もう、レイカ?」

 「え?」

 「そこは、お母さんに向かって、問答無用って叫んで、拳銃でパーンの、ロードス島の伝説でしょう?」

 …はあ?

 拳銃でパーンの、何だって?

 「いい、レイカ?ディードリットは、数百歳」

 「…?」

 「エルフ、ですからね」

 「…はい?」

 「エルフといっても、エッチだったり、芸人さんのことでは、ありません」

 「…?」

 「レイカは、5. 15の、イヌカイツヨシ遊びも、知らないわけ?」

 知らないって。

 今どき世代の子は、知らないってば。

 「ああ…。やっぱり、今は、ELTの社会になったのね」

 また、違う。

 音楽業界やらファンに、怒られるよ。マジで…。

 「参っちゃったなあ…」

 私の悩みは、続いた。

気持ちのモヤモヤは、消えなかった。

 オーディションの再審査の日までに、治さなければならない!





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