第86食 短きパスタで食すカレーのギャップ:神保町イタリアンCuore d’oro(A25)
昼夜ともに営業している店の訪問時に書き手が着目しているのは、昼と夜との価格の違いである。
つまり、昼に安い値段で同じ料理が提供されている場合、そういった店に夜に行くと〈損〉をした気分になってしまうからだ。
別の言い方をすれば、昼と夜の値段が同一の店にこそ、書き手は夜に訪れんと欲している次第なのだ。
この方針から書き手が火曜の夜に訪れたのが、「神保町イタリアン Cuore d’oro(クオーレドーロ)」であった。
この店のレギュラー・メニューに「名物!スペアリブのバーベキューソース&パスタセット」という品があるのだが、このクオーレドーロが、「神田カレー街スタンプラリー」において提供した〈限定〉メニューこそが、この名物メニューをカレー・アレンジした「ショートパスタと食べるスペアリブカレー」で、その料理名を見てすぐに分かるように、通常時にはバーベキューソースを使っているスペアリブ付きのパスタを、カレーソースでサーヴした分けである。
この骨付き肉に加え、今回のカレー・メニューのウリになっているのが、料理に使われている「お米型のショートパスタ」である。
パスタを使ったカレーに関しては、ここまでのところ、日乃屋のお茶の水店の「カレー・スパゲティ」を書き手は食したのだが、これは、我々が普通に想起する麺料理であった。だが、この店が提供している極短なパスタを食べたのは書き手にとって人生初であった。
「お米型のショートパスタ」は、インディカ米のような細長い形なので、食べ方としては、スパゲティ一般のようにフォークに巻いたり、引っ掛けたりするのではなく、フォークの腹の上で掬い上げるようにして食べる事になるので、食べ方は、フォークで食す金沢カレーの如しである。一応、カトラリーにはスプーンも用意されているので、これを使う事もまた可能である。
とまれ、ひとたびフォークを口に運んでみると、この米型麺の食感や味は、米のそれではなく、間違いなくパスタ以外の何物でもなかった。
見た目がライスカレーなのに、まったく食感が異なる極短パスタの味のギャップが、実に面白いように書き手には感じられた。
ちなみに、この店において遂に〈A〉コースをコンプリートした事をここに言い添えておこう。
〈訪問データ〉
神保町イタリアン Cuore d’oro:神保町・神保町
A25
十一月十五日・火・二十時十五分
ショートパスタと食べるスペアリブカレー:一五〇〇円(クレカ)
〈参考資料〉
「神保町イタリアンCuore d’oro」、『神田カレー街 公式ガイドブック 2022』、五十一ページ。
〈WEB〉
『神保町イタリアンCuore d’oro」、二〇二三年三月五日閲覧。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます