第039食 それ、もしかしたら圧倒的かもしれない:ハンバーグレストラン 牛舎本店(B03)
メトロを乗り継いだ書き手は、末広町駅で降り立った。
それから、上野方面に向かって蔵前橋通りを渡った後、左折し、しばらく進んだ所、湯島界隈に位置しているのが〈牛舎〉である。
この店は、牛肉を使ったハンバーグ専門店で、入り口には、何体もの牛のフィギュアが置かれており、牛肉料理店である事が視覚的に強調されている。
さらに、入口の看板では「黒い三連ハンバーグ」というメニューが推されていた。
これは、総重量一〇〇〇グラムの巨大なハンバーグで、ハンバーグが縦に三つ並べ置かれており、写真によると、あたかも、上のハンバーグが下のハンバーグを踏み台にしているかのようになっており、その一番上には、目玉焼きが載っていた。
名称も形状も、そのボリューム感も、書き手の好奇心を大いに駆り立てた「黒い三連バーグ」だったのだが、この〈黒いヤツラ〉との邂逅は、別の機会にとっておくことにして、今回は、予定通りに、〈牛舎〉のハンバーグカレーを注文する事にした。
牛舎はハンバーグ専門店なので、カレーのメニューは、「和牛すじをじっくりコトコト煮込んだ」このハンバーグカレーだけだったのだが、トッピングには、チーズや目玉焼きというオプションがあり、量に関しては、一八〇、三〇〇、四〇〇、五〇〇グラムという四つの選択肢があった。
ところが、メニューには、さらに、大盛りはプラス一五〇円と書かれており、書き手は一瞬、疑問を抱いてしまった。
量の増量と大盛って何が違うのか、と。
だが、ここがハンバーグ専門店であることを考えれば、疑問はあっという間に氷解する話で、グラムの違いはハンバーグ、大盛りはライスであるに違いない。
この日の書き手は、ノーマルな一八〇gのハンバーグを、こう言ってよければ、〈ボール〉サイズのハンバーグを注文したのだが、もっと大きなハンバーグ、例えば、三〇〇gは〈ドム〉、五〇〇ℊは〈ジオング〉といった重量感なのだろうか?
こんな風に、グラムに応じてハンバーグをモビルスーツに譬えてみて、ふと思ったのは、「黒い三連バーグ」にカレーをかけたメニューは存在しないのだろうか、という事であった。
メニューには存在しなくとも、お願いすればワンチャン可能かもしれない。
もしも、本当に三連カレーが提供された時、その〈ビッグ・バーグ〉を目にして、書き手はきっとこう呟くに違いない。
「圧倒的じゃないか……」と
〈訪問データ〉
ハンバーグレストラン牛舎本店:末広町・湯島
B03
九月二十九日・水曜日・十五時
ハンバーグカレー(180g):一二五〇円(現金)
〈参考資料〉
「ハンバーグレストラン牛舎本店」、『神田カレー街 公式ガイドブック 2022』、二十九ページ。
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