検査結果と、見えてきた方向・・・・?
第11話―—―結果。
始めの診断からピッタリ一週間後、僕はまた病院に行ってきた。
自律神経失調症、という言葉を聞いて一週間、僕は体調を崩す日は変わらずとも、多少の変化があった。どこか眠いと感じる時があったり、寝つけないと思う時があったり、不安に感じてしまう時があったりと、なんとなく悲しいなと思うことが起きていた。
また、僕は一週間前に受けた血液検査の結果を聞いてなかった。そのため、今回の診断で、立ちくらみやめまいの症状が、貧血からきているかどうかが分かるということだった。
早速僕が行くと、一週間前とは違って少しだけ人が多かった。休日に受診する人も多いよな、と思いつつ、僕は「検査の結果を聞きに。」と、受付の人に伝え、そこから少し読書をして自分の順番が来るのを静かに待った。読書で少し落ち着くことができたが、文字を読み進めるスピードは少し遅くなったと思った。
「検査の結果を見たのですが、貧血の症状はありませんでした。」
僕は少し驚いて、一週間前と同じ先生を見た。
「そうなんですか。」
「はい。貧血に当てはまる項目は一通り検査していますが、どれも基準値の範囲内に収まっているものが多く、貧血の症状はないのかなと思います。」
お医者さんは、僕にそう断言した後、「なので」と付け加えた。
「やはり、立ちくらみやめまいの症状も、全て自律神経失調症なのかと思います。」
―—―自律神経失調症。
僕は、一週間前の聞いたその漢字の長い名前を、再度聞いた。それには、少しも驚くことはなかった。前の診断から一週間、僕は自律神経失調症について調べ、自分に起きていることが、全て自律神経失調症の内容と合ったからだ。
僕はそこから、しばらく先生と会話を重ね、色んなノウハウを学んだ。学習した、と言っても、それは一方的に先生からのアドバイスを聞き、質問には答える、という形だったが、実際にアドバイスをしてくれることは、僕にとって学びだった。
また、僕は診察を受けながら、感動していた。僕は、今までその症状を誰かに共有したことが少なく、自分のことを考えてアドバイスをしてくれているお医者さんを目にして、「僕にもそういう人がいてくれるんだ」という、感動とも感謝とも取れてしまう感情に気づいた。
僕は、誰かに自分のことを考えて欲しかったのかもしれない、向き合ってほしかったのかもしれないと気づいた。
最後に、僕はお医者さんや看護師さんからいくつかアドバイスをもらい、診察は一度終了することになった。
最近よく言われている「デジタルデトックス」を意識したり、リラックスするために手足を温めたりすることを丁寧に教えてもらい、アロマなどの香りにも頼るといいと言われた。大学生になり、香りを見つけることが好きで、よく香水を探すのが好きになった僕には、一番楽しくできることかもしれないと思った。
「手足を温めることを意識して行うには、足湯などがオススメですよ。」
診察を終え、一人でお会計を待っていると、話を一緒に聞いてくれていた看護師さんが僕の所までわざわざ来てくれて、そうアドバイスしてくれたことも嬉しかった。
僕は、まだ体調不良が続くことになるとは思うが、それでも周りの人が僕の支えになってくれることに気づいた。また、どうしても症状で辛い時には来ようと思えた。
という訳で、僕は30分弱の診断を終えて帰宅した。
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