第9話―—―ほんの少し、未来の話を。


 僕は、完全に過去から抜け出せずにいる。それは、もはや自分で認めるしかない。


 だけど、僕にはいくつかのやりたいことがある。


 例えば。


 ―—―観光地を元気いっぱいに歩きたい。

 ―—―遊びたい人と、不安なく思いっきり遊びたい。

 ―—―誰かに誘われた時、「いいよ!」とすぐに答えたい。

 ―—―行きたい場所に行って、いいと思えるぐらい回りたい。

 ―—―飲食店に不安がないまま行きたい。


 もしかしたら、これらは誰かにとっての「当たり前」なのかもしれない。だけど、それができない僕にとっては、「本当にやりたい特別な事柄」だと思っている。いつかできるようになれたらと思う。だけど、無理に頑張ろうとしても逆効果なのは分かるので、今は願望だけを記しておく。


 また、僕にはなりたい自分像もある。


 例えば。


 ―—―小さいことに悩まない人。

 ―—―息抜きが適度にできる人。

 ―—―地道にコツコツできる人。

 ―—―衣・食・住を大切にできる人。

 ―—―体調がいい人。

 ―—―元気で明るい人。

 ――—自分のことをたいせつにできる人。

 ―—―自分の欠点を、他の人に見せることができる人。


 全部できるようになりたいとは思わない。また、全部できるような人は、逆に人間味がないほど完璧な人なのだと思う。ただ、もしこういう人間になれたら、僕はもう少しだけ楽しく日々を過ごすことができるのではないかと思う。




 もし、今の自分がもう少し元気になることができたら、ほんの少しでもいいから願望を叶えたいと思う。そして、少しでもいい未来に近づくことができるように、今はのんびりと休んだり、適度に運動したり、治したりしたいと思う。

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