第8話―—―押しつぶされそうな日に。


 ふとした時間、僕はたまに自分の肩に何かがのしかかっている感じがしてくる。それが何かは分かっていなくて、目に見えない重さがかかって、重力でズンとしてくる感覚がある。まるで、それは僕の今まで背負ってきたものの集合体みたいに肥大していて、ついには僕を押しつぶそうとしているのだ。


 頭では、それが空想のもので、気にしない方がいいことは分かっている。が、ずっと気にしないでいるのもできなくて、たまにそれと向き合ってしまうことがある。目に見えない荷物が、どのような内容なのか、どのぐらいの重さなのか、どれだけしんどい中なのか、気になって見てしまう時が、何度かある。そして、それをすると、僕はやっぱり体調不良になってしまう。


 僕が、最後にその荷物を見ようと、考えようとしてしまったのは、つい数日前のことだった。なんとなく動画を見たり読書をしたり小説を執筆したりすると、どこかで自分が押しつぶされそうな感覚になり、それを立て直そうと、つい向き合ってしまった。すると、自分の感情が爆発して、「言いたいけれど、それを聞いてくれる人がいないんだよな。」という現実と直面し、悲しくなってしまった。僕はこの時になって、ようやく自分が弱い人間で、自分の話を聞いてくれる「誰か」を求めているのだと、そこで理解してしまった。僕は、かなり弱っていた。


 実を言うと、今、この文章を書いているこの時も、僕は目に見えない荷物を、身体中で感じていた。色んなことを考えながら、自分のことも考えて日々を過ごすことはとてつもなく大変で、今これを読んでいる人達の中には、それ以上に大変な人だっていると思う。

 ほんの少しでも自分が弱っていることが分かると悲しくなる。もう立ち止まりたいと思う。

 だけど、やっぱり世界は前に進んでいて、どんなに日々をゆっくり過ごしたいと思っていても、色んな所から考えないといけないことは出現する。それをまた、僕は一人でこなしながら、今ある僕自身の感情にも耳を傾けている。そうしていると、体調不良で弱くなってしまっている時間でも、日々を過ごすだけで最高の合格点を叩き出しているのかもしれないと、僕の中で小さな希望を見つけることができた。

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