私の中ではずっと薄いパステルカラーの世界で物語が進行していった。大きく感動したり、涙したりする小説ではないけれど、音楽で言えば、軽快なイージーリスニングの中にノリの良いジャズや耳慣れたフォークソングが紛れ込んで聞こえるような、不思議なお話だった。それが作者の意図とは違っていたとしても、読者が心地よい気分で主人公たちと共に行動できたとしたら、そんな読み方もありだよね。楽しかった。