第80話あけぬとて 今はの心 つくからに

題知らず

よみびとしらず


藤原国経朝臣


あけぬとて 今はの心 つくからに などいひしらぬ 思ひそふらむ

                        (恋歌三639)

※今はの心 つくからに:さあ帰ろうと気持ちを固めたのに


夜が明けた、ということで、さあ帰ろうと気持ちを固めたのに、どうして言いようもない気持ちが付き添って来るのでしょうか。


通い婚の時代、男は朝方に(人目につかないように)女の家を出るしきたり。

しかし、出て行きたくない(もっと一緒に居たい)と思うのが、愛していることの自然な気持ち。

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