第81話あけぬとて
寛平の御時 きさいの宮の歌合の歌
藤原敏行朝臣
あけぬとて かへる道には こきたれて 雨も涙も ふりそぼちつつ
(恋歌三639)
夜が明けてしまったので、(女性の家から)自分の家に戻る道で、雨も涙も、はげしくしたたって、私の衣をずぶ濡れにして、降り続けているのです。
大雨になる兆しでもあったのかもしれない。
しかし、夜が明ければ、女の家にとどまることはできず、自分の家に戻るのが、当時の男女の習い。
どうにもならない当時の慣習と、大雨を恨み、ただ涙して、雨に濡れるのみ。
そこに風情を感じるか、哀れを感じるか、それは、人それぞれ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます