第65話しきたへの 枕の下に 海はあれど

題知らず

紀友則


しきたへの 枕の下に 海はあれど 人を見る目は おひずぞありける

                         (恋歌二595)

※しきたへの:枕にかかる枕詞。

※みるめ:「見る目」と「海松目」をかける。


枕の下に、流した涙の海はありますが、あの人を見る(お逢いできる)、みるめは。生えていないようです(だから、夢の中でも、お逢いすることができないのです)


※派生歌

しきたへの 枕の下に みなぎりて やがても下す みなの川かな (藤原定家)

しきたへの 枕のうへに すぎぬなり 露をたづぬる 秋の初風(源具親)


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