第62話冬河の うへはこほれる 我なれや
題知らず
宗岳大頼(むねをかのおほより)
※宗岳大頼(むねをかのおほより):伝不詳。『古今和歌集目録』には、「先祖不詳。算博士」とある。古今集に二首のみ。
冬河の うへはこほれる 我なれや したにながれて こひわたるらむ
(恋歌二591)
冬の川は、その表面だけが、凍りつく。
私も、それと同じなのではないだろうか。
表面(表情)だけは、凍りつかせて動き(気持ち)を見せないけれど、
凍りついた川の、その下では、水が流れているように、
私の心の奥底では、涙を流しながら、恋し続けているのかもしれない。
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