第13話きりぎりす いたくななきそ 秋の夜の
人のもとにまかりける夜、きりぎりすのなきけるをききてよめる
※きりぎりす:現代ではこおろぎ
藤原忠房
きりぎりす いたくななきそ 秋の夜の 長き思ひは 我ぞまされる
(秋歌上196)
こおろぎよ、それほどひどく鳴くな
秋の夜の長く続く辛い思いなら、私の方が勝っているのだから。
秋の夜に、余程元気に、こおろぎが鳴いたのだろうか。
作者は、私の辛い思いのほうが勝っているのだから、それほど鳴くなと、人間の言葉を解さない、こおろぎに命令している。
滑稽と言えば、そのほうが理にかなっている。
失恋の歌とか、招いた主人とともに失意を詠んだ歌と言う説もあるけれど、こおろぎ相手に、そんな深刻な歌を詠むものだろうか、はなはだ疑問である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます