第6話 ~蛭ヶ小島で門前払い~
1週間以上かけて、ようやく蛭が小島に到着した。
しかしおそらく門前払いだろう。
かといって力ずくで入るわけにもいかない。
ここは思い切って、こっそり侵入→頼朝に接触という流れにすることにした。
夜。忍者である黒江さんにとって、侵入はたやすいことだろうが、
私は普通の学生だ。
幼いころから訓練を受けてきたわけでもないし、身体能力も黒江さんほど高くない。
てことでしゃーなく、黒江さんに行ってもらい、私は座して待つことに。
どうしてこうなった…
私は今、夜の闇に隠れている茂みに隠れている。
念には念を入れてだ。
外壁は簡単に超えられたし、頼朝の住処までは簡単に近寄れたのだが、本人がなかなか出てこない。
さらに、おつきの物もいる。
これは1度戻った方がよさそうだ・・・
* * *
戻ってきた黒江さんともう1度作戦を練り直す。
何かないかとバッグを除くと、大判小判。
その時ふとひらめいたことがあった。
近くにいた兵士に近づき、相手の手を握る。
兵士はその後自分の手のうちを確認すると、うなずいて通してくれた。
私が渡したのは金貨1両。
いわゆるわいろというやつだ。
そして頼朝に近づき、日本の廃れ、兵士の横暴などを直訴。
そして、塀を起こす気になってくれた。
こんなに簡単に言っていいのだろうか…
因みに、もっといい方法があったのだが、それはまた次回のお話・・・
〜鎌倉時代に転生したので歴史の調停者になります〜 サファイア @sapphire_sena
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