千代/力のない私、情けない私にも出来る事がある
西園寺攻略…不知火最初の難関だ。
以前はマゴ君のお母さんの力で定満との平穏を、そして私達夫婦を守ってくれていた。
今度は私が…家族を守る番だ…以前、義母さんに聞いた事がある。
姉妹仲が悪くなかったと言っていた。
「決して姉妹仲が悪かったわけでは無いんだよ、家出した時も妹の穂澄だけは応援してくれたしね。それにあの子は残って西園寺の跡目争いに参加したから…子供が出来なくて、やっと出来た子供が女のコだったからね、当時は大変だったと思うから私にも負い目があってねぇ…だから姉ちゃんの言う事聞けって強く言えないんだよ」
強いて言うなら西園寺の跡継ぎ問題を私がぶち壊した形だ。西園寺家の血をひく孫一を定満が奪ったと…
「妹は西園寺の権力争いには勝ったけど自分には娘しかいないからって…血統的に孫一を婿養子に欲しかったんだろうねぇ…別に私は孫一が選ぶなら何処に行こうと誰と結婚しようと反対はしないけど…でも…個人的に選ぶなら断然千代ちゃん派だからね…一代や定満と幼馴染だからとかじゃないよ、私はウチに入り浸っていた千代ちゃんを娘や嫁として好きなんだよ」
噂によると最後、姉妹で何度も揉めたのは…私がいるから…私と孫一が一緒になる件で揉めていたのかも知れない…でも、定満家の居ない時に葬儀に来て泣いていたと…
もしかしたら話せば分かって貰えるかも知れない…私は手紙を送った。
手紙の内容は…私の半生、マゴ君と愛のある毎日だ。
小説サイトに載せてる半生を手書きで、手紙に記していく。
まずは知ってもらわなければいけない…私を!
例えば『お魚パーティー』
私が女体盛りしたエピソードだ。マゴ君が我慢できなくなって机の上で…キャッ♥
他にも『プレデターVSセーラーマーン千代』
私がプレデターに拘束され拷問を性的な受けるがマゴ君のお忍びの姿、マンゴ仮面に助けられ、その後、夜はラブロマンス…キャッ♥の話だ。
途中母親が乱入してきて本格的なパウンドで顔面ボコボコにされた話はグタグダになるからカットしよう。
こんな感じで沢山のエピソードを書いた。無論、グタグダになった部分は全部、官能ハードロマンスでカバーする。
そんな感じの手紙を半年か、一年か?送りまくった。
その間も定満家は何やら説得してたらしいが、難航していたようだ。
そして姉の京香から、とうとう来栖川が動くと聞いた。時間がないのだ。
西園寺が来栖川に付けば、定満支持の家や組織はあっという間になびく。
金や力で繋がった縁など切れる時はあっという間だ。
私は単独潜入し西園寺家攻略も考えていた。
しかし、そこで獅子川が待ったをかけた。
「手紙が来てたよ、西園寺家から不知火宛に。近日、定満家でない者で仲介出来る立場の者を寄越せだって…ボクが行ったほうが良いかな?」
いや、これは罠だな…下手すると不知火を内部崩壊させる罠だ…これは分断作戦に違いない。
「いや、私も行くよ…こんな時の為に変装を用意してるんだ…」
「変装…?」と獅子川は良くわかっていなかったが、秘密裏に作っていたスーツがある。
そう、孫一の心のヒーロー。孫一が隠れてエロサイトにタイトルと一行だけ投稿していた私を模したヒロイン。その名は…
『無限ラブジュ●ス…スパイダー!シリーズだ!』
「え?何が?」「いや、お前もやるんだよ」
「え?ボクも?ナンデ?いや、ちょ…」
そんなやり取りの後、我々は西園寺家に行った。
定満家から借りたベンツに乗り西園寺家の前に付ける。
着くと同時に門が開く、まるで喰らうかのように私達を引き入れる。
「ちょっ!?本当に豪邸だしどーすんのこんな格好でこんな状態で!?千代?聞いてる?ねぇ!?」
普段クールな獅子川が騒ぐ…私だって不安だ。
ギャーギャー煩いから黙らせた…凄い睨んできたが良いだろ?尻ぐらい…
しかし、果たして西園寺穂澄は説得に応じるだろうか?
執事が待っていた…ジト目でこちらを見てくる。
「よくぞいらっしゃいました。奥で穂澄様がお待ちです。本当に不知火の者ですか?仲介者と聞いてますが…その格好は?」
「あぁ…隠してもしょうが無いが、私は獅子川美音という…ウックッ…不知火の者でもある。名前はそれなりに売れてるつもりだが。格好は気にするな、流行りだ。通して頂こうか?」
「何故、そのような格好で…?」
「趣味だ…不知火…上層部の…もう良いだろう…早く通せ…」
「分かりました」と言葉を切り最後のドアが開く。
中には妙齢の、着物姿の女が待っていた…西園寺穂澄…名家の中でも最も歴史が古いと言われる西園寺の頭領…孫一のお母さんの妹だ。
私の母、定満一代や他の名家と渡り合っている本物の権力者であり強者…凄まじい圧が襲う。
「突然お呼び立てして申し訳ありませんが…私が西園寺家頭首、穂澄です…が、まず何なんですか?その格好は?」
黒のボンテージキャットスーツ姿の獅子川が動く…獅子川にはスパイダー美音として黒と赤の全身光沢の光るエナメル調のキャットスーツ風スパイダースーツを着ている。とりあえず自分一人では脱げない作りだ。
そして入る前に余りに騒ぐからその時に(運転中に)浣腸をして蓋をしといた。
西園寺に我々の地獄の苦しみを知ってもらいたい苦肉の策だ。
獅子川は抵抗したが力づくでやらせてもらった。
「まず…これが私達の…グゥ…正装だからです。分かりますか?分かりませんよね?それが不知火です。ヌハぅ…」
浣腸してから大分時間が立っている…ここに来るまでに本当にすぐ終わるのか騒いでいたが、どうやら獅子川も限界が近い…
「じゃあ…その隣の青と白、そして赤の全頭の全身タイツの女も仲間ですか?」
「あぁそうだ。ヌゥㇷっ!彼女は不知火カラーのスーツを着ている…クッㇵっ…のはどうでも良い…早く話をつけよう…か…」
私は不知火カラーのスパイ●ーマン風の全身タイツを着ている…勿論、私も浣腸済みで尚且つ全身に玩具を、そして孫一を感じれる様に口には孫一の下着を咥えている。モゴぉモゴぉ♥と身体をよじる事しか出来無い私…孫一…私に力を…
「取敢えず出直してきなさい、獅子川さん。貴女も良い大人でしょう…お腹?体調ぐらい整えてから…」
「フゴゴー!フコーゴガっ!ムゴ!」
私は言った『今この瞬間にも!棺の魔の手が…』と言っている途中で孫一の下着を咥えている事を思い出した。
マゴ装備外すか!?でも勇気が…まだ、マゴエネルギーは使うべきではない…
「なんなのですか?その現代社会に、適合してない生き物のなり損ないは何が言いたいんですか?」
酷い言い様だご、耐えろ…
「彼女の事は…クゥッ…気にしないで下さい…それより…西園寺家は何がお望みですか?」
そう獅子川が穂澄さんに聞いた瞬間、武装した男とスーツ姿の男達が部屋に入ってきた。
集団の率いている武装した男が前に出る。
「どうやら体調が悪いようですね…定満の下部組織、不知火の使者…しかし、あの獅子川美音ですか…釣れたのは大魚のようですねぇ…まぁ端的に言いましょう、不知火も来栖川に…棺様に付きませんか?
その、率いている男が腕を広げ太陽を掴むかの如く大仰に語る。
「間もなく時代は変わります!有栖川やら定満やら、西園寺も含め古臭い時代は一掃される!棺様の時代が来るんですよ!」
ぷ〜〜〜〜〜〜〜…パンッ!
何言ってるのか良く分からないが私は失敗した…括約筋には右に出るものはいないと言われる私だが、蓋無しは無理だ…屁が出てしまった…次、波が来れば…身だ…マゴジー装填するしかない!
マスクを取り口に含んでいたマゴ下着を急ぎ肛門に装填する。私は宣告する!
「クアアッ!!!穂澄さん、私達の覚悟…伝わりましたか?我々不知火に今こそ!下る時ですぞ!」
「お腹が…?」
小さい女の娘が何か言ったがこの際どうでも良い…そして穂澄さんが…
「定満…何故、貴女が来ましたか?約束を違えるのが定満ですか?よりによってなぜ貴女が…」
「貴様!定満千代か?クククッ交渉が決裂すればいい人質になる…それに獅子川美音かぁ…」
獅子川が舌なめずりをするスーツの男達に「ケツの話はやめろ…」とか言ってるが…この覚悟を見てもまだ揺るがないか!?穂澄さん…いや!西園寺!
「よくわからないけど…ヌフぅ…お金持って来た…早く受け取るかどうか…きめ…て…アァッ!?ヤアァ…ヒッグッ…」
ドザッ!
内股で立ち上がり、投げ捨てるように机にアタッシュケースを開けて現金を広げる…その後、小鹿のように震え、机に両手を付けて身体を支えているが、ブーツのヒールが地面に高速でカタカタカタっと突き刺さっている。まるで腕を中心にダンスを踊るようにクネクネクネ、顔から脂汗が酷く顎から水滴が堕ちている…多分アイマスクのバイザーの下は泣いているな…まさに墜ちたアイドル…
く、獅子川は限界かも知れない…だか我々の覚悟…しかとみよ!私もプライドを捨てる!
「穂澄さん!孫一のお母さんは言いました!皆愛していると!平和であるべきだと!不知火は!定満は!天下など狙いません!我々不知火は!「バカやめろ触るんじゃねぇ!うおぁ!?」
私が説得している最中にいきなり獅子川の奇声が遮った。
「やっ!?出ッ!!ふわぁぁぁぁぁぁ!!!アッ!?あっ!?ンフーっ!」
スーツの男の一人が獅子川に近付き何か言おうとして腰の辺りを触ったのがよほど気に入らなかったのか、獅子川がキレたと思ったらどうやら肛門もキレたらしい…凄い勢いでフロントジッパーを閉め、身体が弓なりに仰け反った…外に出ないとでも思っているのか?…そして足がダンスっちまってた。
響き渡る水音、獅子川のうめき声、皆黙った…
「これが不知火の覚悟…皆さん、ご覧頂けただろうか?」
「わらし…元アイ…ドル…もらさ…ない…」
漏れてる、しかも全力で出ないようにしたつもりみたいだが色んな金具部分から滲み出ている…
「帰れって言ってんだろう!このバカどもがぁっ!」
急に穂澄さんがキレた!?クソっ!通じなかったか?お通じだけに…だがまだ私がいる!
「そんなこと言わないで!穂澄さん!私とマゴ君を信じて…『やかましい!定満の中のダントツアホが!訳の分からない手紙よこしやがってこのバカ!お前は二度とくるな!』
ガッ!穂澄さんの足が私に向かって来る…私も限界だ…避ける事は出来無い…スローモーションになりゆっくり私の腹につま先がめり込んだ‥
「おおおおおあ!?♥ウヒぃっ!♥うひっ!♥うひっ!♥」
私のケツから噴射する体内液、いや、ウンコ…
響き渡る凄まじい水音、私の場合エナメル調ではなく全身タイツタイプなので思いっきり尻周りに広がりながらブーツの中にガンガン入った…
獅子川が私も出たのを良いことに、ストッパーが効かなくなったと言える…
獅子川は机の上にウップし、ヨダレを垂らしながら「グッ…なんだコレ…早くなんとかしろ…」とか、電話機能のあるバイザーに向かってブツブツ言ってる…私も土下座の姿勢でぷるぷるしながらプピプピ尻が言っていた。
この覚悟…排水の陣…通じなければ…不知火は…定満諸共…負ける…
「千代姫さんや…もう一人遊びは満足かい?ここは西園寺が受け持つから二度とくるな…」
「いやいや、西園寺さん…コイツラは『棺の国』が貰い受ける…こんな危険分子共、ほっておくなんて出来ねぇからなぁ?」
通じなかった…逆に穂澄さんに助けられる始末…私の何が間違っていたの?
私は土下座の体制で涙しながら敗北を噛み締めた…どうなってしまうのだろう…スパイダーチヨ…絶対絶命だ…
『穂澄様あぁ!白座!白座孫一がやって来ました!仲間を一人だけ連れて!白座孫一が来ましたーっ!』
その言葉に全員が反応すら…駄目…マゴ君来ちゃ駄目ぇ…この地獄の螺旋にマゴ君を巻き込みたくない…
『孫一さん…とうとう来たのね…これで西園寺は…』
『何だと?あの棺様の仰る…白日の孫一様が…死んだはずでは?』
『遅えんだよアイツゥ…減給だ…絶対にぃ!』
「マゴくううぅぅんん!きちゃだめぇぇぇぇぇぇぇぇぇッッ!!!」
私の慟哭が室内に響いた…
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