凶愛の行く先 彩愛視点


ヤンデレを書くためにヤンデレ作品を読みまくり、顔を真っ赤にしながら、時にゾクッとしながら研究し続けた迅君の脳内CPUが弾き出したヤンデレがする行動は............


───────────

部活動をしていた時よりも早く走り、私は家に着いた。

勿論両親は不在。

この感じだと再来週ぐらいまでは絶対に来ないだろう。


好都合。

こんなの運命でしかないよね?

運命の人拓人を監禁してとろっとろにして甘々に甘やかして情熱的に混じりあってひとつになれって、そう言うお告げだよね?


なら、遠慮しないよ?

鈴音さんには悪いけど、拓人、貰ってくね?

まーずーはー、睡眠薬っと。

ちょーっと強力だけど後遺症は出ないっぽいし、大丈夫でしょ?


つーぎーはー、親に頼んで改造して貰った

うんうん、正常に機能してるね♪


さーいーごーにー、監禁部屋。

最近のネットはすごいなぁ。

SMに寄っちゃうけど、ちゃんと拘束具が売ってるんだもん。

それをー、私のベッドの四隅に取り付けてっと。

よし、準備完了!


フヒヒ、この後ここで、私と拓人が...っ!?


「あん♡」


濡れちゃった♡

うーん、取り替えようかな?

拓人に会うんだし、ちゃんとしたやつで行かないとね♡

そうして私は下着を履き替え学校へと向かった。




下校が済んだのか、辺りはまだ明るいのにやけに静かだった。

どうしたんだろう、と不思議に思ったけど、今はそんなことどうでもいい。

うーん、どうやって誘おうかなぁ?

ちょっと遊ばない?んー、何か違う。

ちょっと寄っていかない?家に。

うん、これにしよっ!


誘い文句も決まって上機嫌になった私は学校へと足を進めた。


そして、歩くこと5分。

私の視界にある男の子が映りこんだ。

あれは、


「あれ?あそこにいるのって、もしかして拓人?」


もしかして、私に会いに来てくれたの?

う、嬉しい!

...........ううん、拓人が会いに来るときはメールを入れるはず。

しかも直接こっちにまで来ることはない。

じゃあどうして?


あれ?

何か焦ってない?

息も何だか絶え絶えだし、ただ事じゃなさそう。

でも、取り敢えず、声をかけなきゃ始まらない。


「拓人?拓人ー!」


私は、あくまで偶然を装って拓人と接する。





「ひ、酷い。」


私は拓人からさっき何があったかを、震えながら伝えられた。

これから監禁しようとしている私も大概だが、そのキョーコちゃんと言う子の行動には驚かずにはいられなかった。


鈴音ちゃんが刺された。

真っ赤な血溜まりができいていたらしい。

そんなの間近で見ちゃったら、私すら拓人のように震えていただろう。


でも、良いこと聞いちゃった♡

私はそっと拓人の体を抱き締める。

優しく、優しく、優しく。


スンスン


あぁ、いい匂い♡

って、そうじゃなくて、


「怖かったね。」


「っ!」


「殺されるかもって、ずっと苦しかったんだよね。鈴音ちゃんが無事かは分からないけど、きっと大丈夫だよ。」


「............ 」


「頑張ったね。」


「っ、う、うぅぅぅぅ」


慈愛に満ちた声で、彼を落ち着かせる。

アハッ、安心しちゃったのか泣いちゃった♡

可愛いー!

そんな彼を、私は先ほど考えた台詞で家に誘った。




「フンフンフフンフフーン♪」


あぁ、とっても幸せ♡

拓人が私の部屋にいる、私をまってくれてる。

早く可愛い拓人の元にいかないとね。


「うん!いい感じ。」


私は彼を落ち着かせるためのハーブティーをいれていた。

勿論その為だけじゃないけどね♡


「んっ」


私はそれを口に含み、そして、


「ぷはぁ♡」


カップに戻した。

銀色の線が伸びる。

そしてそれをお盆の上にのせた。

フフフ、フヒヒ、飲んでくれるかなぁ?

隠し味が“私”のハーブティー♡

甘いのかな?それとも、スッキリしてるのかな?


どちらにせよ、この光景を見ていない拓人はこれを飲むだろう。

ということは、拓人は無意識に私と間接キスをして、私のからだの一部を...........!


そう考えただけで、からだの芯から快感と言う名の電撃が駆け巡る。

それは私の正常な思考を壊すのに十分すぎる一撃だった。


「あ、後はこのお薬を............」


水に溶けやすいモノを選んだから、それはすぐに溶けて消えた。


「さて、拓人のところに行こうかな?」


待っててね、拓人。

貴方の愛しの彼女が行くからね?


私はスキップをしながら彼の待つ部屋へと向かった。







「っ!?な、何だ?」


僕の背筋に冷たい何かを感じた。

悪寒..........と言うべきなのだろうか?

もしかしたらキョーコちゃんが近くにきているのかもしれない!?










兎は強大な虎を恐れ、すぐ近くにいる蛇に、未だ気付かない。

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