私の愛4 彩愛視点
最近、拓人の様子が変になった気がする。
授業のときも、何か別のことを考えてるように見えたし、休み時間になると、何かをするでもなくボーっとしている。
また、食堂に行ったとき、彼は決まってある子の事を見て、顔を赤くさせるのだ。
その視線の先にいるのは............
“光崎鈴音”
別クラスながら、彼女のことは知っている。
千年に一度の美女、と。
女の子の誰もが羨むスタイルに、ルックス。
さらに誰にでも分け隔てなく接するその優しさに、男の子だけでなく、女の子のファンも大い。
そんな彼女を見つめる拓人。
あ、そうか。
拓人は、彼女の事が好きなんだ。
そして、私の恋は実ること無く終わった。
...........でも、
「ねぇ、拓人。」
「なに?」
「あの子のこと、好きなんでしょ?」
「うぇ!?」
「ふふっ、バレバレだよ。視線があの子のところ、向いちゃってるもん。」
「うぅ、」
と、赤く顔を染めて俯く拓人。
よっぽど恥ずかしかったのだろう、顔を上げる様子がない。
うぅ、可愛いよぅ。
食べたいよぅ。
初な感じがとってもいいよぉ。
でも、私の妄想はかなわない。
でも、私は拓人があの子と一緒になれるようにサポートをする。
分かってはいた。
私の気持ちは、一方通行であること。
改めて認識すると、今にも泣き出しそう。
でも、ここはぐっと堪える。
「............私が色々とあの子と接する機会をつくってあげる。」
「え?い、いいの?」
「うん。そ、の、か、わ、り..........絶対に逃がさないようにね。」
「わ、分かった。ありがとう。」
「いいんだよ。あの時の、お礼だから。」
そして私は鈴音さんとコンタクトを取り、拓人と会う機会を作り続けた。
楽しそうに笑う鈴音さんと、顔を赤くしながらも幸せそうな拓人。
そう、これでいいんだ。
私は、幸せな拓人を見れれば、それで。
チガウ
そして、ついに.......
「今日、告白しようと思う。」
「.........うん。」
「本当にありがとう。僕と鈴音さんとを繋いでくれて。」
「うん。」
嬉しそうに言う拓人。
それに対して、私はどんな顔をしているだろうか。
「私、邪魔になりそうだから、帰るね。」
「えっ、そんな......」
「じゃあね.........っ」
私は走り出した。
誰にも、この涙を見られないように。
イヤダ、オワリタクナイ!
こうして、私の恋は、終わった。
「ふん、ふふーん♪」
途中、ある女の子とすれ違った。
「機会は、皆平等にある。あのクソ女にだけ与えちゃダメ。だから、私の同士さん。諦めないで。」
「っ!?」
女の子に、確かに耳元でそう言われた。
機会は、皆平等に............、と言うことは、
“私意外にも、拓人を好きな人がいる。”
そして、私にも
ダカラ、ネラッテモ、イイヨネ?
あぁ、簡単なことだった。
そう、そうだよ。
私の中の黒い感情があふれでてくる。
でも、もう拒まない。
いいよ、もっと渦巻いて、もっと激しく!
もう、自分のキモチに嘘はつかない。
どんな手を使ってでも、私の拓人を手に入れて見せる。
そのために、私は早急に家に帰ることにした。
走る、走る、走る。
中学校に陸上部に入っていたため、かなりの速度を維持して走ることができる。
でも、今の方が早いのではないだろうか?
もっと早く、そして、彼を迎え入れる準備をしないと。
私の顔は、自分でも分かるほどの笑みを浮かべていた。
フヒッ
フヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ♡
愛してるよぉ?拓人♡
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